スカートが好きだが履きたくはない
2017.08.02.Wednesday
まず、私はスカートが好きである。ミニスカートもロングスカートも、折り目の数が多いのも少ないのも、皆まとめて好きである。
可愛いし、美しいし、中には格好いいスカートもある。大胆な柄がついていれば見ていて楽しいし、無地であればどのようなトップスにも合わせられそうで良い。
だが、履きたくはない。
一見して矛盾しているようにも思うのだが、自分本人の中では矛盾した案件ではない。
好きだし憧れてもいるし可愛いと思う。履きたくないだけで。
何故私がスカートを好きで憧れて可愛いと思っているかというと、スカートを異文化の着物だと捉えているからだろう。
民族衣装の一部だと考えているのだ。
まあ、服というのはどのような形態であっても「民族衣装」でしかないのだけど。Tシャツにジーパンというのも、その服装が作られた時代や世界の背景を考えれば確かに「民族衣装」なのである。
そして私は普段着に対する民族衣装感をスカートに見出した。
長い短いひだがあるないと様々なバリエーションがあるが、腰に巻きつける筒状の、あるいは末広がりの衣装である、という所にファンタジーを見たのだと思う。
何がファンタジーかというと、要するに「袴」である。
日本の民族衣装である袴をスカートに見出しているのである。
私はパンツの中でもバギーやガウチョ、スカンツといった裾がふわんと広がっているパンツが好きだ。実際に履いてはいないが、こちらはとても履いてみたいと思っている。なぜパンツだと履きたくなるのかは不明だが、恐らく「過度な女性らしさを感じない袴」という認識なのだと思う。結局袴である。
ひらひらばさばさと翻る履物がすきでたまらない。
よってスカートが好きだ。大好きだ。自分では身につけないが。
それと、もう一つ。
これは私が何故スカートを履きたくないと思っているかを想像したものだが、意外としっくり来たのでメモしておく。
似合わないと思っているからだ。
細かく言うと、似合う似合わないに関わらず、自分はスカートという可憐な民族衣装に相応しくないと思っているからだ。そうだ、相応しくないと思っているのだ。
何故相応しくないかは考えていないので分からない。自己肯定が足らないだけかも知れないし、自分でも気づかなかったこだわりや基準と言うものがあるのかもしれない。
しかし、私はスカートに相応しくない……もっと言えば、世間一般の「女性」という概念に相応しくない存在であると、自分を認識しているからだろうと思う。可愛いスカートはイコール女性らしさの象徴のように思えてならないからだ。
ここで一発、男性がすね毛全開でスカートをどどんと履いてくれれば、私の躊躇いも薄れると思うのだが……。難しいか。
まあ、そんな感じで私はスカートが好きだ。大好きだ。
自分が履くものだと認識していないだけなのだ。
おわり。