創作：春神三兄弟２
【三凶区】
（さんきょうく）
双屈町、留壷町、紺屯町の三つで構成された区。
三角形を描く区の形と、その三角形が何かの結界となっているかのように三つの町のみで不可思議なことが起こる様から、約50年ほど前からそう呼ばれ、呼ばれ始めて40年たった頃（つまり10年前）に正式な名称として採用された。
特殊能力者や特異体質者が多く生まれる区画であり、人外も少なからず居つく。また、外から来た人外が三凶区に追いやられて住み着いている場合もあるという。
よその地が平穏を維持するための掃き溜めのような扱いを受けることもあるが、掃き溜めにしては平和である。妖狐塚市における不可思議な異常事態をほぼほぼ引き受ける存在な三凶区は、血筋にしろ不可思議の度合いにしろ人外の比率にしろ、濃い。
三凶区の中央には大きな神社がある。この神社を守るか封じるかするために三つの町ができたという噂があるが、真相は定かではない。
【特徴的な体質、能力】
三凶区には低くない確立で生まれる体質者や能力者が存在する。
１クラスに１〜３人いるレベルの体質や何年かごとに必ず生まれるような能力など、結構ありふれた存在のようだ。
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○多重人格者・多層人格者
お互いのことを認識できる程交流しあえる人間は珍しいが、人格が重なっている人間は割りと多い模様。
なぜ生まれるのかは未だに分かっていない。生まれつき人格が重なっている場合がほとんどであり、先天的なものと後天的なものの区別のつけ方を熟知している住人は少なくない。
先天的なものの場合、体の一部に変化が生じるという。目の色が変わる、髪の色が変わる、声が変わるなど、人それぞれ部分が違う上に、一箇所のみしか変わらない。オッドアイは存在しない。また、体の構造も変わらないので急激に髪が伸びたり体格が縮んだりといった変化も当然ながら起こらない。基本的なシルエットは変わらないが色や声などは人格によって違う傾向があるようだ。２Ｐカラーのようなものである。
層人格の場合、記憶や経験が共有されるので、本人が多数の人格を持っている自覚なく生活していることもある。
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○動物語の話者
先天的なものも後天的なものも含む。動物の言葉が理解でき、また動物と会話ができる。先天的な場合は体質、後天的に習得した場合は能力であることが多い。
特定の動物のみと波長があう場合が多く、一種類の動物に特化して会話ができる者がほとんど。犬科ならば犬科の動物のみ、猫科ならば猫科のみといった具合。また、更に狭い範囲の者もいる。（犬科の中でも狼に限定される者など）
複数の動物と会話ができるものもいないではないが、全種類の生き物と、という人間は存在しない。生き物の波長があえば、まったく関係のない２〜３種類の動物と語り合うことも不可能ではない。が、会話できる動物を探す努力をするよりは、現在会話できている種類で満足する人のほうが多いらしい。
波長があう動物と会話できるといっても、上限は３種類までのようで、それ以上を話せる住人はいない。また、３種類話せる人間はとても珍しく、動物語の話者の中でも１種類のみの人が６割、２種類話せる人は３割、残りの１割が３種類となっている。３種の話者は特殊な職業を斡旋されることもあるとか。
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○召喚能力者
不可思議な力を持った動物を呼び寄せることができる能力。幻獣や魔物などを呼び出すことはできない。あくまでも「不思議な動物」どまりである。
例えると、火を噴く狐、怪我を治すクラゲ、ステルス機能を持つオウムなど「不思議な能力を持った一般的な動物」。動物の能力幅や強弱は際限がなく、物凄く強い能力を持った動物を呼び出せる者もいるが、自身の召喚能力で扱いきれない場合が多く、暴走して終わるパターンが後を絶たない。身の程は弁えるべきである。
呼び出せる生き物は１種類のみの場合がほとんどで、最大でも２種類の様子。また、２種であった場合は動物間に共通項がなければいけない。（哺乳類同士・海の生き物同士・基本的な色が同じ・名称に同じ言葉が入っているなど）
召喚される動物が強いだけで、召喚者本人の戦闘能力はない。
春神 日向は多層人格者（自覚なし）。
人格によって強化される身体能力が違い、血の気が多い人格だと体力や筋力がわずかに上昇し、皮肉屋で冷静な人格だと頭の回転が速くなる。また、悪ふざけ大好きな人格になるとリアクションがオーバーになるという謎の変化も見られる。
元の日向に戻った際に、なぜ自分はあんなことをしたのだろう、と不思議に思うが、よく分からないまま終わる。あんなことしたくないなあ、と思っていても他の人格に交代した際に躊躇なくやってしまい、その行動をとった記憶は元の日向にも共有されるので、どうした自分はそんな事ばっかりするんだろう、と更に謎を呼ぶ。
2015/08/25 02:35
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