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- ナノ -
社交ダンスをマグマの上で
「シャルウィーダンス?」
 低くキメた声で、うじゃうじゃとした手を差し出してくるのは、小柄なデストロン兵だった。
 クイックストライク。
 彼は女が好きで、口説き癖がある。
「ブラックウィドーにフラれたからってこっちに来ないでよ」
 呆れたように彼を見る彼女は、彼の横を通り過ぎようとして、腕を掴まれた。
「まだ誰のことも口説いてないでギッチョンブラァ」
「……真っ先に私のところに来たと?」
「信じなくてもいいでギッチョン、俺様、心が広いから許してやっちゃう」
 そのまま強引に抱きかかえられた彼女は、クイックストライクと軽めのダンスを踊らされた。彼のリードは意外にも上手かった。
「お前の体、柔くて壊れそうブラァ。ちゃんと食べてギッチョンチョン?」
 踊りながら頷いて返すと、クイックストライクは彼女を見て、言った。
「あとで食事おごるでギッチョン。どうだい、二人きりで」