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 大柄な彼が寝転んでいるのを見つけ、審神者である彼女は少しだけ近づいてみることにした。いつも小さい小さいと笑われているので、彼がどれほど大きいのか寝姿から測ってみようとしてのことだった。
 すす、と障子を開けて中を見る。
 大きな大きな彼が、小さなその子の膝に頭を預けて寝息を立てていた。
「おしずかに。いま、ねむったところですから」
 今剣は口元に人差し指を立てる。審神者に物音を立てないよう忠告をする短刀からは、少し大人の風格が漂っていた。
 膝枕で眠る岩融が幼子のようにも見える、懐の深さを表すような声音だった。
「あるじさまも、いわとおしといっしょにねむりますか? ひざはあいてますから、どうぞ」
 審神者である彼女は大変困った。同じ膝枕でしばしを過ごすというのは、どうにも気恥ずかしいのである。
「だいじょうぶ」
 今剣は優しく言った。
「ぼくがまもってさしあげますからね」
 これほどに心強い枕など、この本丸には存在しないだろう。