たとえば、手。

日焼けしていない白い肌に長い指。
でも関節は太くて、男らしい。
意外と大きなその手で、そっと頬をなぞられるのが好き。



たとえば、瞳。

大きく見開いた瞳は深い翠の色を宿し、見た人を魅了する不思議な色。
相手の心を見透かしたような、でも自身の心は見えない、深い、深い、色。
そのきれいな瞳で見つめられるのが好き。


たとえば、髪。

さらさらと靡く髪は一体どんなシャンプーを使っているのか思わず聞きたくなるような髪質で。手触りは実はオレよりも良かったりする。
瞳の色とよく合った明るい赤は、どこにいてもその存在を知らせてくれる鮮やかな色。
耳のちょうど上をぴょこんとはねてる髪が可愛いと思ってるのはオレだけの秘密。



たとえば、声。

昔から変わらない落ち着いた声はいつでもオレを含めみんなを安心させてくれる。
今でも名前を呼ばれる度に心臓が高鳴ってるのを、きっと彼は知らないだろう。
耳元で囁かれると脳が痺れてとろけそうになるんだよね。









『俺の好きな所、言ってみて?』



そうヒロトに言われて考えてみたけど恥ずかしいことしか思い付かなくて、オレは今、本当に困っている。


性格だって優しくて紳士的。レディファーストなんて当たり前にやってのけるから、女の子にも当然モテる。



あー、もう!
ヒロトの好きな所なんて在りすぎて分かんないよ!




思わずヒロトの目の前でそう言ったら「最高の答えだね」って言われて抱きしめられた。
首元に顔を埋められたのがこそばゆくて身をよじれば、さらにぎゅうと身体を密着させられる。









…こんなの、男のオレでも



フツーに惚れたでしょ

あとはオレに対するセクハラ発言をどうにかしてくれれば最高なんだけど。












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