※14歳基山×6歳緑川
※ショタっ気のある基山くん
※もう色々と残念です











ガチャリ。


こんにちは、と控え目に挨拶をしながらドアノブを回し、久しぶりに来る家の玄関を見渡す。
最近テスト週間で来れてなかったから会うのは一週間ぶりくらいだ。

そんなことを考えていると、トタトタとかわいらしい足音。


「おにーちゃーん!!」

「! リュウ!!」

俺の姿を見つけるなり、全力で抱き着いてくる女の子。
明るい緑の髪を一つに結い上げて揺らす姿のなんて愛らしいことだろう。



…あ、言っとくけど俺はショタコンじゃない。
最初はこんな小さな子をそういう目で見るつもりなんて全くなかった。
けど、アルバイトと称してうちの母さんの友達である緑川さんの家でリュウの面倒を見るようになってから俺の最初の決意は脆くも崩れ去ったのだった。


まぁ、あれだよね。
…リュウが可愛いのが悪い。



同じクラスの風介と晴矢には散々「犯罪だ」と罵られたけど、14歳と6歳。
今はとても差があるように見えるが、たかが8歳差。

大切なことなので、もう一回。
…たったの8歳だ。
世の中には10歳以上年の離れた恋人なんて五万といる。きっと。



「ヒロトにーちゃん!きょうはなにしてあそぶ?」

「…ん?なんでもいいよ」


いつものようにリビングにお邪魔して、リュウの面倒を見る。
リュウの母親は俺と入れ違いに仕事へ行ってしまったようだった。

俺が部屋をキョロキョロと見回しているからだろうか、リュウはソファーに座った俺の膝にちょこんと乗って、伺うように目をこちらに向けた。


「ヒロトにーちゃん、このおうちのこと、わすれちゃった?」



久しぶりに来たからといって部屋を見回し過ぎたらしい。
リュウは不安そうに俺を見ている。
そんな、忘れる訳ないのに。
子どもらしい発言に思わず笑みが零れる。


「大丈夫、忘れてないよ。ただ久しぶりに来たなぁ、って思って」

「リュウ、おにーちゃんにあえなくてさみしかったよぅ!」

そう言って俺の膝から身を乗り出してぎゅうっと抱き着いてくる。

あー、やばいな。
俺、今、すごい幸せかもしれない……。



「…それで?今日は何して遊ぶんだい?」

そう言いながら、そっと身体を離す。
本当はもっとくっついていたかったけど、これ以上リュウにぴったりくっつかれていたら、6歳児相手に理性が崩れそうで、流石にやばいと感じた。


「んーとね、きょうは、おままごとやりたい!」

「…おままごと?」

「うん!ヒロトにーちゃんがパパで、わたしがママ!!」


とびっきりの笑顔を見せて、リュウは俺の膝から飛び降りて小走りで奥の部屋へ行ってしまった。
リビングに残された俺は一人でもう一度リュウのさっきの言葉を思い出す。

…俺がパパでリュウがママ?
もしかして、夫婦…ってこと?




「あなたー!ごはんですよー!!こっちにきてくださーい!!」

リビングの奥の部屋から鈴の音が鳴るようなかわいらしい声が聞こえる。

はいはい、なんて言いながら声のする方へ向かうと、そこには恐らくリュウの母親のものであろうだぼだぼのエプロンを着ている彼女の姿があった。


「エプロンまでして、結構本格的なんだね」

「うん!このまえ、ひろむくんともおままごとして、たのしかったから、ヒロトにーちゃんともやろうとおもったの!」

「ひろむ君…?」

リュウの発した言葉にぴくりと反応する。
ひろむ君って、もしかしてあの大夢くん?
三浦さん家の子どもで、前に一度学校帰りに公園でリュウと会った時に一緒にいた子だ。

あの時、その大夢くんが俺に向けた眼差しは、敵意剥き出しの厳しいものだったのを覚えている。
きっと、彼もリュウの事が好きなのだ。


「………あ!そうだ」

俺が三浦さん家の子についてあれこれ考えていたら、リュウは突然思い出したように両手をポンと叩いた。
急にどうしたんだろう、と不思議に思ってると、畳に座っている俺の膝に再び乗ってくる。

そして、右の頬に柔らかい感触。


近付いてきたリュウの顔が少しだけ赤くなっていたのを見て、可愛さのあまり思いっきり抱きしめたいのをぐっと堪える。

いや、ほんと。
なんなのこの子…
無意識でそんな、俺が興奮するようなことやっちゃうの?


「えへへ…わたしね、ヒロトにーちゃんだいすきだから、おおきくなったら、けっこんしよーね!!」

「………!」



………やられた。
完全に俺は今、リュウにノックアウトされてしまった。
しかもプロポーズされちゃったし…!

思わずにやけてしまいそうな口元を押さえ、たかが6歳児の発言に俺は悶える。



「……10年」

「…ふぇ?」

「10年経っても俺のこと好きでいてくれたら結婚しようか?」


くりくりの真っ黒い瞳を見開いてリュウは首を傾げた。
リュウは今6歳だから、あと10年。
10年経って16歳になったら結婚しよう、と俺は提案する。


俺はあと4年もすれば結婚できる年になる訳だし、さらに10年後となれば彼女1人くらい多少は養えるようになっているはずだ。
リュウには「10年経っても俺のこと好きでいてくれたら」なんて言ったけど、彼女にはこれから他の男なんて目に入らないくらい俺に惚れてもらおうと思う。


だから、今から少しくらい俺好みに育てても良いよね?


責任はちゃんと取るからさ。









まさかのにょたパロ…
本当に私はどこに向かっているのか…





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