※ただの残念な妄想です。
※基山と緑川の初対面妄想。
※なんか色々と間違ってる。







「俺、基山ヒロトっていうんだ」

綺麗な翠色の目を細めて微笑んだ彼は、これからよろしく、と言って手を差し出した。



フットボールフロンティアインターナショナル、通称FFI。
オレは今、その代表選抜が集められた場所にいる。

そして、オレの目の前で手を差し出して微笑んでいる基山ヒロトという男もオレと同じく、代表選抜の一人である。


「ああ、よろしく」

「君、緑川リュウジだよね?」

オレも相手に倣って手を差し出し名前を言おうとしたら、先に言われた。
ぎゅっと握手を交わされ、力強く手を握られる。


「…あれ?名前……」

言ったっけ??と首を傾げると基山はふるふると首を横に降る。
じゃあ何でオレの名前を知っているんだろうか。

たしかに世界大会の選抜メンバーに選ばれたくらいだから少しはオレの名前も広まってるはずだが、この、目の前にいる基山の方が断然サッカー界では有名だったりする。
だから、本当は名乗ってもらわなくても知ってたんだ。赤い髪に優しげな翠の瞳がとても印象的だったから。


「俺、君のことずっと前から見てたから」

「…………え」

双つの瞳にまっすぐ見られて、ドクン、と心臓が鳴るのが分かった。
な、何動揺してるんだ、オレ…
相手は男だぞ!
…たとえそれが、今までずっとオレの憧れで目標にしていた選手であっても!



「それにしても随分と男らしい名前だね」

「? そうかな?普通だと思うけど……」

「だって、普通は付けないよ。リュウジなんて名前、女の子には」





「……………………は?」


…こいつ、もしかして、オレのこと女の子って思ってる!?
……馬鹿じゃないの!?

もう一回言うけど、馬鹿じゃないの!!??


目の前でオレの手を握り、完璧にオレを女の子だと思っている基山に、もはや怒りを通り越して憐れみの情が生まれそうだった。

「…あの、さ。オレ……」

「……?」

「男なんだけど」

「!?」


オレの言葉に、基山は雷にでも打たれたような、衝撃を受け、ふらりと離れたかと思うと、再び近付いてきて、オレの両肩をガシッと掴んだ。


「……………嘘、だよね?」

「…残念ながら、本当だよ」

「本当に?嘘ついてない?」

「なんで男のオレがわざわざ性別転換の嘘をつかなきゃなんないんだよ…!」


まじまじとオレを見る基山に、居心地の悪さを感じる。
たしかに、声変わりもまだだし、髪長いし、女の子に見間違えられることもあったりする。
でもまさか、あの基山ヒロトがオレのことを女の子だと思ってだなんて…!
名前で気付けよ!なんて心の中で突っ込む。


「……ごめん、失礼」

怒り半分、呆れ半分なオレに基山はさらなる追い撃ちをかけるように、オレが着ていたTシャツをがばっと上にたくしあげた。


すると基山はオレのぺったんこの身体を見て、一言、こう言い放ったのだ。





「……膨らんで、ない…」










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