俺 笠松幸男には誰にも言えない秘密がある

それは………

「いらっしゃいませー!」

月一でカフェに通っていることだ

いや 正確にいうとそうじゃない

秘密というのは、俺が実は大の甘党だということだ

別に甘いのが好きなことバレたって別にいいんじゃないかとか思ってるヤツ

それこそ甘い!

いつも「会場の女の子ばっか見てんじゃねー」だとか「ちゃらちゃら手ぇ振ってんな」だとか言ってる俺がこんなところに通ってると知られたら説得力がなくなる

というより黄瀬(イケメン現役モデル)や森山(残念でもイケメン)ならともかく俺みたいなのが甘党っつうのは似合わなすぎる

なによりこのカフェの店員さんなら女の人でも緊張しないで注文できるほどに通っているなんて知られるわけにはいかねえ!!

なら食べなければいい、というワケにもいかない

ただでさえストレスの溜まりやすいあの日常(黄瀬とか森山とか早川とか………黄瀬とか)をこの月一の楽しみを無くすなど考えられない

少しは俺にも癒やしをくれ

「お待たせしましたー」

来た!

これのために俺は日々アイツらをシバいてると言っても過言ではない

「ハチミツ入りミルクティーといちごパフェになります」

……ああ

ミルクティーのいいにおいがする

肩の荷が下りるような感じで力が抜ける

飲むとハチミツの柔らかい甘みが口の中に広がった

んで 続けてパフェも

いちごが甘酸っぱくてうまい

ヤバい………顔がにやける

普段の俺からは想像もつかない腑抜けた顔をしているはずだ

けど仕方ない

うまいもんはうまい

甘みがどんどん染み込んで疲れがとれてく感じがする

「あれ 笠松先輩?」

生きてて良かったと素直に思う

日頃の努力が報われた気がした

「せんぱーい」

スッゴくうまい

よし パフェをもう一口………



「笠松先輩!!」



………正面から聞こえた声で額を嫌な汗がツタった

恐る恐る顔を上げるとそこには見慣れた、でも今は絶対に見たくない黄色がいた

「あ やっぱり先輩じゃないっスか!いや 仕事が終わってからこの店たまたま見つけたんで入ったんスよ そしたら先輩がいたんでもうビックリっス!メガネかけてるから違う人かなーとか思ったんスけどね いやぁ ほんと偶然っスねー」

「人違いです」

そう言って俺は未だに話しかけてくる黄色を無視してただヒタすらにパフェを食べ続けた

お願いだから

今くらいはお前を忘れさせろ………!










みひろちゃんに頼まれたので移転記念に!

gdgd駄文でごめんなさい!

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -