※少し捏造アリ







「そーいや前も そーやってはいつくばってたなぁリョータ」

「そーだそーだ しかも女もとっちまったんだっけ? みじめだなァつくづく」

「まー ヤったらすぐ捨てちまったけど はははははは」

試合が終わっても、あの耳障りな声が耳から離れない。

「あー そーだな…… この試合で勝ったら 今度はテツヤを奪ってやるよ」

違うって、頭では否定してるのに、どうしても不安が消えない。

「アイツも 負けたヤツなんかより勝ったヤツの方がいいだろうしなァ」





ショウゴ君との試合の後、携帯を開いてみると一通のメール。

『From:黒子っち
件名:無し

試合お疲れ様です

この後、近くの公園で待ってます  』

黒子っちからの呼び出し?珍しいっスね。

正直、今の気持ちのまま会うのは若干気が引ける。

けど、黒子っちを1人で公園で待たせるわけにもいかないから(いろんな男にナンパされちゃうっスよ!!)急いで更衣室を出て公園へ向かった。





「黒子っちー!!」

「!!黄瀬君」

疲れた体に鞭を打ち、急いで約束の公園に向かうと黒子っちがベンチに座ってた。

「待たせてゴメン!」

「いえ 僕も今来たので それより 試合後なのに走ってきてくれたんですか………?」

「? そうっスよ?」

黒子っちを待たせたら悪いんで、と言うと、黒子っちはいつもの無表情ながら少し申し訳なさそうにする。

「別に走らなくてもよかったのに…」

「黒子っちに早く会いたかったんスよ」

少しキツかったのは内緒だ。

黒子っちの隣に座ると、黒子っちの香りがした。

甘い、甘い、彼の好きなバニラシェイクみたいな香り。

ふと黒子っちを見ると、こっちに目を向けていたので目があった。

まん丸で水色の瞳。

キレイだと思った。

『アイツも 負けたヤツなんかより勝ったヤツの方がいいだろうしなァ』

不意にショウゴ君の言葉が頭をよぎる。

黒子っちに会って一度消えかけた不安が、また大きくなってきた。

反射的に目をそらしてしまう。

「黄瀬君………?」

黒子っちの不思議そうな声。

低すぎなくて心地いい。

この声に何度も励まされてきた。

今日だって、黒子っちのお陰で勝てたと言っても過言ではないと思う(火神っちもなんか言ってたけど黒子っちの言葉でいっぱいで忘れた)。

でも、もし俺が今日の試合で負けていたら?

ショウゴ君の言った通り、黒子っちがショウゴ君に奪われてしまっていたかもしれない。

今ごろ、ここで黒子っちの隣にいるのは俺じゃなくショウゴ君だったかもしれない。

これから、この香りを感じて、この瞳に見つめられて、この声で励まされるのが、ショウゴ君に奪われていたかもしれない。

そう思うと、無性に怖くなった。

「黄瀬君!」

「へ?」

黒子っちに急に声をかけられて、思わず間抜けな声が出てしまった。

「大丈夫ですか?ボーっとして……」

「え!? 大丈夫ッスよ!」

考え事に没頭しすぎて黒子っちの声に気がつかなかったようだ。

黒子っちを無視した挙げ句、黒子っちに心配かけるなんて………

本当、俺ってダメっスね……

「……………」

すると、俺をじっと見ていた黒子っちが抱きついて………って

「くくく 黒子っち!? 何スか急に!?」

めったにデレない黒子っちがいきなりデレた(しかも抱きついてきた!)ことに戸惑っていると、黒子っちが顔をあげる。

上目使いがマジかわいいけど、無表情の中に少しだけ怒ってるような………?「黄瀬君」

「は はいっス!」

「僕は黄瀬君が好きです」

「へ!?本当にいきなりなんなんスか黒子っ「だから」?」

「悩みがあるなら真っ先に相談してほしいです」

え………?

「それに 疲れてるならムリして急いできてほしくもないです」

黒子っちはまだ俺を見ている。

怒ってるようで、心配してるようで、不安そうで…

「だから…「黒子っち」

そんな顔されたら、言わないワケにはいかないじゃないっスか。

黒子っちをぎゅっと抱きしめた。

しっかりと、存在を確かめるように。

「俺 もしショウゴ君に負けてたらって考えて 怖くなって」

「黒子っちが 俺より強いショウゴ君のとこいってたんじゃないかって思うと 無性に怖くて 不安でいっぱいになって…」

とても情けないと思われるかもしれないけど、俺は吐きだすように言った。

それでも、黒子っちは俺が言い終わるまで、嫌な顔もしないで、黙って聞いててくれた。

「なんて スッゴい情けないっスよね…」

「はい 情けないです」

ハッキリ言うっスね黒子っち!(泣)

「そんなくだらない事で不安になるなんて………本当に情けないですよ」

「くだらないってなんスか!? 俺は真剣に悩んで…」

「強い人が好きなら 僕はとっくに青峰君や緑間君 紫原君や赤司君のところにいってます 黄瀬君 一度もキセキのみんなには勝ててないんですから」

「う………」

確かに………

黒子っちってば痛いところを………!

「僕は“黄瀬君”が好きなんです 君が誰に勝っても 誰に負けてもそのことに変わりはありません」

真っ直ぐに、揺るぎなく黒子っちは俺にいった。

「だから 不安になんてならないでください」

その姿は、俺よりも小さいのに俺よりもスッゴく男前でカッコイい。

「もう………オレがバカみたいじゃないっスか…」










不安になるのもバカらしく









つまり一番情けないのは






黒子っちを信じられなかった自分。












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凛子さんリクの灰崎戦後黄黒甘です!

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