それは、いつもと変わらない一日。

―――の、はずだった。

(そろそろ正門で遅刻者チェックしないと、)

雲雀は今日も朝早くに応接室で仕事を始めていた。

時計を確認し、目を通していた書類を一旦置くと応接室を出て正門へと歩き出す。

(今日こそは…この想いを彼に、)

骸も並盛中にいた。

片想い中の想い人へ、その気持ちを伝えるため。

珍しく強張った面持ちで、緊張からか少し早歩きになる歩調。

その勢いでトントンと階段を上がっていく、と。

「!?何で君がここに、」

「ひ、雲雀くん!?」

バッと階段で出会す雲雀と骸。

「か、咬み殺ッうわ!!」

「っ雲雀くん!!!」

咄嗟にトンファーを構えた雲雀だったが驚きで足を踏み外し、骸はそれを止めようと手を広げた。

バッと雲雀を抱き止めたが、流石の骸も重力の勢いには逆らえず二人は共に階段から転がり落ちた。

「「―――ッ!!」」

ドンッと鈍い音が響き、あまり高くない高さだったとは言え体をぶつけながら落ちた二人はしばらく動かなかった。

そしてゆっくりと体を起こし、最初に言葉を放ったのは雲雀だった。

「だっ大丈夫ですか!?雲雀く、ん?」

自分で言っておきながら首を傾げる雲雀。

すると隣で倒れていた骸もようやく起き上がり、

「いっ…た…ホント何なの…君……え?」

顔を見合わせフリーズする両者。

数秒後、どちらとともなく声を上げた。

「「ああああああ!!!?」」

雲雀 恭弥(??)

六道 骸(15)

人生で初めて、他人と体が入れ替わった瞬間だった。




【69→入れ替わりまして←18】










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