※病んでる・流血有り










真っ暗で何も見えない
こんな状態が続くのは怖い
でももうそんなことはどうでもいいんだ
だってもう何日もこの状態なんだから

「黒子っちぃー…」

スッと頬を撫でられる
それはもう気持ち悪いくらい優しく
怖いと思うのにもう体は震えない
だって慣れてしまったから

「はい、何でしょう黄瀬くん」

笑って返事をすれば見えない彼は笑った気がした
楽しそうに愛しそうに僕を見つめて笑った気がした
頭の後ろに手を回されて
僕の視界を閉ざしていたモノが取られる
久しぶりに見る光りはとても眩しかった

「今日は特別っスよ?」
「どういう風の吹き回しですか?」
「黒子っちの目が見たくなったんス!」

ニコニコ笑ってる黄瀬くん
いつも学校で見てたのと同じ笑顔
そんな彼が何故僕をこんなところに閉じ込めるのだろう
誰も来ない旧校舎の一番奥の空き教室
赤司くんでさえこの事は知らないだろう

「ねぇねぇ黒子っち今日ね学校でねっ」
「はいはい、ちゃんと聞きますからゆっくり話しましょうね」

小さな子供を諭すように黄瀬くんを撫でれば
嬉しそうに尻尾を振ってるであろうゴールデンレトリバーが見えた

「今日はね久しぶりに青峰っちと1on1して、緑間っちがシュート教えてくれて…」
「はい」
「紫っちがお菓子くれて赤司っちが褒めてくれたんスよっ!」
「……そうですか」

黄瀬くんの口から次々に出てくる人の名前
嘗ては仲間だった人たちのもの
でももう僕は違う
僕はもうバスケ部を辞めたんだ
でも黄瀬くんの口から聞きたくない

「黄瀬くん?」
「何スか黒子っち…?」

黄瀬くんはきょとんとして僕を見た
僕はそんな黄瀬くんに笑って見せた

「黄瀬くんが好きなのは誰ですか?」

黄瀬くんはますますきょとんとして
でも意味が分かるとニヤッと笑った

「やだな黒子っちが一番に決まってるじゃないっスか」
「そうでしょう?だから他の人の話をするのはやめて下さい」
「―ッ!」

黄瀬くんの指に噛み付く
綺麗な指から綺麗な赤い血が流れて見惚れそうだ
そんな血を、僕は舐めた

「黒子っちったら…嫉妬っスか?」
「そうです………腕も噛みたいです」
「いいっスよ」

スッと差し出した腕に噛み付いて
口内に入ってくる血を飲む
甘い…でも鉄臭い
その時肩に激痛が走った

「んっ!黄瀬くんっ!」
「黒子っちだけってのはズルイっスよ?」

黄瀬くんが噛み跡を残す
これで何度目だろう…人の事は言えないが

「黄瀬くん、僕の前では他人の名前挙げないで下さい」
「えへへっそれは無理っス」
「何でですか…」

その疑問に黄瀬くんは楽しそうな笑顔で

「そんなの黒子っちの苦しむ顔が見たいから、嫉妬して欲しいからに決まってるじゃないっスか!」

そう言った

「だからさぁ……」





ねぇ、一緒に溺れよう?





黄瀬くんと唇の重ねることは、噛み付き合う事はもはや今の僕たちにとっては普通の事だ
愛して愛して、そう…どうせなら一緒に溺れ死んでしまいたい



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ナツメさんよりいただきました!!

ああ 病み黄黒大好きですっ………!!

本当にありがとうございました!!






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