それから何度、僕は同じ結末を繰り返しただろう。

階段から落ちる最期
ビルの爆発に巻き込まれる最期
通り魔に襲われる最期
僕をかばった最期

どんなに僕が運命を変えようとしても、最期に必ず陽炎が嗤って僕から雲雀くんを奪い去る。



足掻いて、死なせて、足掻いて、死なせて。
何度も繰り返して繰り返して繰り返して…

何十年もひたすら繰り返していたら、僕の精神はすり減り、傷つき、壊れ始めていた。

そして、諦めにも似た気持ちで僕は気づいていた。



こんなよくある話、結末はきっと一つだけ。



繰り返した夏の日の向こう



そこへ行くために、僕はもう諦めた。

そして最期に、陽炎に精一杯足掻いてやるんだ。



***






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