全中後、黒子っちがいなくなった

俺たちの前から本当に影一つ残さずに消えた

そのことが只ひたすらにショックで仕方がなかった

理由はわからないから、スッゴく不安で仕方ない

もう二度と黒子っちに会えなかったら………?

そう考えると無性に怖くなる

―――ふと前を見ると、俺の目前にショウゴ君がいた

灰崎祥吾 俺の前のキセキの世代

誰よりも“強欲”だった人物

何故?

『テツヤが消えたのはお前に足りねーからだろう?』

足りない?何が?

『力だよ 何にも負けねー力』

力………

『お前に力が足りねーからテツヤは消えたんだ』

力が足りない

『そうだ 今のお前じゃあテツヤを手に入れられねえよ』

なら、どうすればいい

黒子っちを手に入れるためには

『奪えばいいんだよ 他人の力を そうすりゃお前は強くなる』

“奪う”

力を“奪う”

『今までの力じゃ足りねー もっともっといろんなヤツの力を奪うんだ』

いろんなヤツの力を“奪う”

『お前にはできんだろ?人の技を奪い取ることが』

そう、俺にはできる

“模倣”によって人の技を自分のものに

でも むやみやたらに人の力を奪うなんて…

『今まで そんな慎重にしてて何になったんだよ その結果がこれだろ』

今まで慎重にしすぎたから

黒子っちがいなくなった

もっと俺が力を求めていれば

『もっと人から奪え 盗め 求めろ 俺に身を任せて』

欲しい……力が

黒子っちが 欲しい

そのためなら、俺は………

『そうだよ それでいいんだ』

ショウゴ君の姿がだんだんブレて変わっていく

『求め続けて


強欲”となれ』

俺の目の前には、凶悪な顔をした“俺”がいた








強欲@黄瀬

灰崎(黄瀬)は悪魔です

弱った黄瀬の心に漬けこんで狂わせたみたいな
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