卒業式のあと、僕は必死に“彼”を探していた。
部活をやめてから全くといっていいほど彼にはあっていない。
でも、彼がどこにいるのかだけはわかっている。
理屈じゃなく、感で。
それだけ一緒に帰ったことや話した記憶が鮮明に残っていた。
久々の運動で足が痛んだが、そんなことは気にしていられない。
僕には、キミに伝えなくちゃいけないことがあるんです。
ずっといいたかったけど、勇気がなかった。
でも、今ならいえる気がするんだ。
追いかけて追いかけて、やっと見つけた彼の背中。
僕は彼の名前を呼ぼうとした。
―――その時、不意に視界が歪んだ。
次の瞬間、彼が歪曲しいつの間にか目の前に地面が広がっていた。
自分が倒れたことに気がついたのはその後。
叩きつけられた衝撃で倒れたことを実感した。
「あ……くっ……は……」
息ができない。
胸が焼けるように熱い。
………理由もなく、予測も出来ないタイミングで意識を失う病気。
僕は生まれたときから、その病気にかかっていた。
病気は、頻繁におこるわけではない。
ただ、僕はいつも倒れる瞬間がわからなかった。
そして目がさめると、長い夢でもみていたかのように倒れる前の記憶が掠れてしまうのだ。
僕を異常としかいいようのない眠気が襲い、意識がドンドン遠のく。
なんでこのタイミングなんだ。
彼の背中がドンドン遠ざかっていく。
ああ、行かないで。
まだキミに伝えたいことがあるんです。
周りはもうぼんやりとしか見えない
それでも、キミだけはいやにしっかりと見えた。
薄れていく意識。
それでも僕は彼に届くよう、でも届くはずのない言葉を呟いたと同時に意識を手放した。
『僕は青峰君を、愛してます』
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お茶会でなつはぎさんがだしていたアイディアを私なりに小説にしてみました。
ナルコレプシーな黒子っち。
ちょっと切なめを目指してみました。