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 煙が晴れた先にいたのは、ハルと彼女が抱えていた男、十年後のランボである。子供のランボならともかく、自分よりも背の高い男を抱えられるわけもなく、ハルの膝がランボの尻に直撃した。う、と呻いている。

「やれやれ。なぜいつも10年前にくると痛いのだr……」
「……?」

 大人ランボは雪子を視界に入れた途端固まる……。

「あ……(大人ランボ、雪子ちゃんのことトラウマになってるんだよね……)」
「綱吉、何こいつ。こっち見て固まってるんだけど……かみころしていいよね」

 取り出した十手がいつもより輝いて見える。


「機能アップした十手の一番最初の犠牲者だな」
「犠牲者って言っちゃたよーー!! 雪子ちゃん! そ、そろそろ帰った方がいいんじゃn」
「なんなんですかあなた!! エロ! ヘンタイ!! 雪子ちゃん、こっちに来てください!」

 ツナを押し退けて、自分の背後に雪子を隠すハル。

「胸のボタンしめないとワイセツ罪で通報しますよ!! 何か全体的にエロイ!!!」
「こ、これはファッションで……」
「あぁ……。思い出しちゃった」

 雪子がハルの影からニヤリと笑って、ランボを見た。その笑みにランボはびくりと体を震わせた。ついでにツナは恭弥を思い出して青ざめた。

「あなた、いつかの"ホルスタインシャツの男"だったね。あのときはいつの間にか消えてかみころせなかったから……」
「ひい……」

 バッと走りだしたランボを雪子が追いかけていく。

「はひ? 雪子ちゃんお奉行さんですか?」
「おっ! マフィアごっこの次は時代劇ごっこか!」
「アホ共が……」
「また変な勘違いしてるーー!!」

 今日は雪子がランボの後頭部に一撃を打ち込み、また煙に包まれて元の姿戻っていた。

「む? よお! 雪子!」
「……何食べてるの?」
「ぶどうの飴玉だぞ! ほしい? ほしい? べー! あ・げ・な・いもんね〜」
「………………ころす」


・・・・・・
・・・・
・・


 ぼふん、と煙が広がる。手の上にある飴玉の袋を黒猫のウエストポ―チに仕舞った。

「うわあああああんん!!」
「やあ……。まったく、十年経っても君はかわらないね」

 蹲って泣いているランボを蹴飛ばしてから、その場を立ち去った。


と、とぅびぃこんてにゅーど……?
2015/11/30


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