※WC後設定

中学校生活もあっという間に過ぎ、気がつけば高校生、そして―――卒業。

桜は満開。天気は快晴。泣きながら退場をする私たち―――今日で私も秀徳高校を卒業します。

***

あちこちで写真を撮ったり、部活の後輩たちとお別れする卒業生たちが校門で溢れかえっていた。もちろん私もまたさっきまで部活の後輩たちとお別れしたり友達と写真撮ったり先生に挨拶をしたばかりである。今からクラスメイトたちと一緒に打ち上げをしにお好み焼きでも食べよう!と学級委員の提案で行こうとしたが、教室に忘れ物をしてしまい、友達にそのことを告げれば小馬鹿にしてきたので軽く小突いて慌てて私は教室に戻った。

そこには馴染み深い教室の風景があって、窓は全開。なんとなく気になって外を眺めてみれば視界の端っこにはボロい秀徳の体育館。

いつもここから眺めてたんだよねー。眺めてたっていうのは所謂中学からの悪友、宮地清志が居残り練習をしてて私はそれを勉強しながら眺めていた。まあ、毎日眺めていれば向こうも自然と気づくわけで。練習が終われば教室に寄って私と大体一緒によく帰ってたりした。向こうからしてみれば仲のいい女友達としか見てないと思う。途中から私だけが意識しだしてただけだし普段と変わらず私はいつも通りに接してたから向こうも私の好意には気づいてないだろう。むしろ私がいつも通りに接してたのは今の関係を壊すのが怖かっただけかもしれない。私もつくづく臆病だなと溜息をついた


「なに感傷浸ってんだ、刺すぞ」

ふと後ろから毒づく悪友の声が聞こえた。


「ひどいなー宮地くん、私だって感傷に浸るときぐらいあるって」

「もうここから宮地くんの頑張ってる姿を見れないんだなーとか宮地くんと一緒に帰れないんだなーとか」


寂しいなあ、なんて多分私はらしくもない、泣きそうになってると思う。向こうは溜息をついてこっちに近づいてきた。溜息つくほどなんなんだ傷つくなあ、なんて。

「ブサイクな顔すんな、撲殺すんぞ。つか気づくの遅え」
「は‥‥え?」

多分今の私は宮地からみたら傑作な顔してるんじゃないだろうか。宮地は溜息をついて真剣な表情になる。
「一度しか言わねーから………好きだ」


夕焼けの中の告白が宮地くんの金髪を照らしていた。



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チョークと鉛筆様に提出






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