※IH敗戦直後の会話
「何も言わねえんだな」
「何か言ってほしいの?」
そうじゃねえよ、轢くぞと毎度お馴染みの台詞が返ってくる。でもいつもの覇気がなかった。
「私はバスケに詳しくないし選手の気持ちも分からないから慰めの言葉を出せないだけなんだよ」
大丈夫?次勝てばいいじゃんとか慰めの言葉かけたって所詮わたしの自己満足でしかならないんだよ、と名前は呟いた。
こんなことがあってか、よく名前は他人から冷たいなどと言われたりする。でもそれは選手自身の気持ちを分かってるからこそできる行動だと俺は思う。
現に彼女は俺のとなりにいる。何も言わずにただただとなりに座って俺が落ち着くまでそばにいてくれる。
俺はそんな彼女が、好きだ。