ビジネスホテルでも、ラブホテルでも、ベッドは狭い。
杉浦にとっては。

身長187センチ。
伸びすぎた。

菅野くんにちょっと分けてあげたいな。
思っても口に出さない事。


「ベッドより布団がいいなぁ僕」
杉浦が意見。
菅野も同意する。
「賛成です。温泉行ったらホテルより旅館ですよ。浴衣ですよ」
「卓球とかねー」
「いいですね。僕得意ですよ卓球」
シュシュっと菅野が素振りをする。
君に不得意なモノ、無いでしょ菅野くん。
自信満々の菅野。
出来ない事は自分には無い、そう信じている様に思える。
温泉地に出張命令。
宿泊先を決めている。

いつもビジネスホテルだ。
飽きた。
あんな狭いベッド、疲れも取れない。
それにユニットバス。
嫌だ。狭すぎる。
ただでさえ頭はどこにでもつっかえてしまうのに。

「出張楽しみだなー」
杉浦は温泉旅館を思い描く。 
広い風呂、掛け流しの湯、足を伸ばせる畳、布団。
菅野も同意する。
「ホント楽しみです。浴衣の杉浦さんを脱がす。楽しみだな」
ニタニタ笑って。
君の頭の中はそればっかりですか。
でも、まあ。
湯上がりのかんちゃんは良さそうだ。
確かに、良さそうだ。

「いつも僕ばっかり脱がされると思ったら大間違いだからね菅野くん」
「お、そう来ましたか」
ニタニタと笑って。
本当に楽しそうだな。
杉浦も笑顔になる。

出張は一週間後。


20090605完





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