柔和な笑顔の腹黒キング・菅野ヒデキを唯一、苦虫を潰した様な顔をさせられるのが竹中だ。

「カンカンまた髪薄くなってませんかぁ?」

その台詞が、菅野の表情を硬くさせる。

菅野のたった一つの地雷。

髪だ。

言うほど気にならないのにも関わらず、菅野は髪の薄いのを気にしている。

前から来ている、と思い込んでいるらしい。

それを竹中はからかう。

年下とは言え仮にも上司。
脇で見ている杉浦と辺見はドキドキしてしまう。

「仕事しすぎでその内ハゲ散らかっちゃうわよぉ」
「ハゲてないです。僕元々髪の量少ないんですよ。困ってないですし、竹中さんこそ髪の量多くて坊主にしてるんでしょ?髪多い方が後で来るそうですよ?」

普段ニコニコニヤニヤしている菅野が、この時だけは本気で反論するのだ。


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