甘い香りが近づいて来た。
隣に菅野が立ち、そっと杉浦の肩に手を添える。

「んー」
「なんだい菅野くん。ちょっと待ってて、これ送信するから」
「んーっ、んっ、んー」
「どうしたんだよ」
「んー」
「はい送信。なあに。ん」

菅野を見ると、チョコレートスナックを口に咥えてニコニコしている。

「なんだい、今日は合コンごっこかい」
「んー!」

無言でうんうん唸りながら、菅野は胸元からバタフライを取り出してカレンダーを杉浦に見せつける。

日付けは11月11日。

杉浦はようやく気がついた。

「ああ、今年ももうそんな時期なんだ」

答えて、菅野の咥えるチョコレート菓子の端を杉浦も咥えた。
ゆっくりと齧って行く。
菅野も向こう側から齧って来ていた。

長閑な平日の昼下がり。


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