先に菅野がいってしまった。
体を痙攣させているかのように。
ピクピクと震えさせて。

「あは…気持ち良過ぎです…」
菅野はそのまま仰向けになり、その唇を杉浦が奪った。
「僕ももうすぐいきそうだよ…」
杉浦の息が荒い。
菅野は思い出したかのように言った。

「今日は面白いもの持って来ましたよ」
悪戯な瞳で。
杉浦の下をすり抜けて、菅野は自分のバッグの中身を探る。
出てきたのは、ソレ用の、ローション。

「何するつもりだよ」
杉浦は苦笑いを隠せない。
菅野は無邪気にこう答えた。
「ローションプレイ、手コキで杉浦さんをいかせちゃいますよ」
言いながら、容器からローションを取り出す。
「ひゃ、冷たいな。普通にドラッグストアで売ってるんですもんね」
「そうなの?菅野くんの事だからまたネットで買ったんだと思った。勇気あるなぁ…冷たっ」
びくりと体を震わす杉浦を見て菅野はケタケタと笑った。

ヌルヌルと杉浦のペニスが光る。
菅野はそれを優しく握り締めて、上下させた。
「うわ…気持ちいいな…」
杉浦の感想を聞き、菅野は微笑む。
「杉浦さんならこういうの好きだと思って。Mですもんね基本」
「…です」
素直に認める。
菅野はペニスを扱きながら、杉浦の唇に口付けた。

「キスも好きですよね」
「キスが好きなのは…かんちゃんの方でしょ…」
「そうかな。あと杉浦さんは、乳首が弱い」
そう言って、杉浦の右の乳首を一舐めすると、杉浦は体を仰け反らせた。
「ふぁ!…気持ちいい…」
「でしょ?好きなんですもんね、乳首とペニスの二点責め。ホントはアナルも開発したいんですけどー」
「それはイヤだ」
「フェアじゃないなぁ。まぁいいですけど。僕も杉浦さんに責められるのは大好きだし。けど今日は責めちゃいますよ。杉浦さんがいくとこ見たい」

ペニスに感じるヌラヌラした感触と、菅野の唇が攻撃をする乳首。
妙な感覚に襲われる。
ああ、自分はマゾヒストなのかな、と。
改めて感じてしまう。
それにしても、体の反応が凄い。
ペニスに血が集中するのが自分でもよくわかる。
それに乳首。くすぐったさの中にエロティックな感情が入り込む。

「ああ…かんちゃん、いきそうだ…」
「いいですよ。どこに出したいですか?」
「かんちゃんの口の中…」
「いいですよー」

菅野は乳首を責める係りを指に移した。
乳首を弄くられる。
それだけでも気持ちがいい。
しかも両手で二つの乳首を同時に責められた。
菅野は舌で杉浦のペニスを救い上げてジュルジュルといやらしい音を出しながら吸う。扱く。

電撃的な気持ち良さに頭が痺れる。
油断した途端、杉浦は精子を菅野の口の中に発射した。

大きなため息が出た。
凄い。凄い気持ち良さだ。

菅野はニヤニヤしながら、ティッシュを手に取り口から精液を吐き出す。
「気持ちよかったですか?」
「…凄く」
「ローションあげますよ。それで僕を思い出してマスかいてください」
「いらないよ!そんなもの…」
「そんな物だけど、気持ちいいでしょ?」
「…うう…」
それは、認めざるを得ない。

下腹部に集中する疲れを取ろうと目を閉じる。
はぁ、とため息をもう一度ついて、それから菅野を見る。
満足げな表情。
さっきまで自分の体の下で咽いていたというのに。
切ない声で喘いでいたというのに。

菅野が女ならば小悪魔という言葉がよく似合うだろう。
そう思った。

20100526完


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