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オシャレな街に出かけよう。
市場へいこうは誰の歌?島谷ひとみー。
それは、食べ物を買いに行く歌。
営業中にちょっとだけ、サボリデート。
「もぉ。俺住んどるとこオシャレやもん充分オシャレやもん。もぉー。どこにあるんオシャレな街てー」
「そぉゆうたらジブン着いてくる思て」
「なんよ。もぉ。寒いから家でじっとしてたかってんのー。何してくれるん」
「やかましの。黙っとれ。お前の好きな服買うてやろ」
「ワーほな行くゥ」
この甘ったれ。
悔しい。
甘ったれ。
可愛すぎてもう。
アホかと言いたくなる。
裏原マップを前日頭に叩き込んで、加藤がGO。
後ろをてけてけ着いて行く伊丹。
「裏原てー。にあわへんよ」
「ほんでもお前ブランド弱いやん」
「東京にしかショップ無いブランドもあるしぃ。好きやけどー。似合う?似合わへんのと違う?」
「てゆーかな、お前みたいなもんは、何着ても似合いません」
「もぉー。なんでそな意地悪ゆうんん。楽ししよー。デートやんなぁ」
嬉しそうな顔をしてるのが目に見えるので、加藤は後ろを振り向かない。
何故なら自分もニヤニヤしているから。
「はいそうですデートですね」とは絶対に言いたくない。
言ってやらない。
君は甘ったれの甘えっ子。
あちこちショップに入っては、アレコレと試着の嵐。
何度も何度も鏡を見て確認。要確認。
「これええんちゃうー?」
「どうでもええわ。好きなん選べや。早よせぇって」
「あー待ってぇ。これもええなぁ。すんませーん。これ他の色ありますぅ?」
時間がかかって仕方ない。
だが楽しい。
見ているだけで楽しい。
イライラしてるフリをしてるから、伊丹は少しドキドキしながら加藤を時々振り返る。
綺麗な色の冬物のジャケットを、一枚買った。
「なんで今日こなやさしんん?」
おお、よく聞いてくれた。
それはなー、
いつも甘えてくれてありがとう、ゆー意味ですねんーて、
ゆお思たけど、止めました。
もぉっ。
なんやねん。
可愛い目で見つめるんやめて。
シンゾー悪なる。
息できへん。
クー、腹立つわ。
「クリスマスにはお返しするわなぁ〜」
そんなんもぉな、俺としては毎日クリスマス気分やで。
アホか。
殆ど毎日恋人と会うてんねんもん。仕事やけど。
加藤の心の声は伊丹には伝わなかったようで、伊丹は加藤の顔を覗き込んだ。
「……今日、おもんない?」
「別に」
「別にてー。怒っとるー。もぉ〜、なんでよ〜」
素直キャラじゃなくてすみませんでしたねぇ。
かわいい伊丹。
自己嫌悪。
20100217加筆修正、完結
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