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「うぁりゃああああ!」
依栖が八代の腕を振り切って離れた。
「チカ兄サンキュな!」
依栖が、依栖の体で、声で語った。
近はにこりと笑って横に倒れた。
八代が狼狽する。
「起動した!まさか!」
圭とKも叫ぶ。
「依栖!」
呼ばれた依栖はニヤリと笑い、首をコキコキと鳴らして横に動かした。
「あー久しぶりの本体やぁ。ええのう。ちんまい方は動くんはええけどパワーが無いからなぁ」
「依栖、ホンマに依栖なんか」
「そら俺以外無いやろ。黙っとらんと俺のハジキ出せや」
Kが嬉しそうに44マグナムを依栖に放り投げた。
「おかえり依栖」
「おう、しやけどお前とはこのカッコでは初めてやんな」
「そうだな」
依栖はくるりと振り返って八代を見た。
八代はひどくうろたえている。
「起動するはずが無いって…こんな危険物、動くはず無いっていうから…この仕事引き受けたのに…」
「俺もまぁ起動すると思てなかったけど。ちなみに起爆のパスワードは生成できてんで。俺が口にしたら終いや」
「言うなっ!」
「言わへんよ。俺もぶっ飛んでまうやん」
依栖は床に倒れた少女体を見た。
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