院長だ。
院長は年齢は四十歳くらい、いつも裸足にサンダルを履いていて、その指はペディキュアされている。
手の爪にはマニキュアしないのに、そこだけは院長のらしさを感じさせる部分だった。
院長は髪の毛をセミロングに断ち切っていて、眼光は鋭く、男性的な生き方をしているが、俺はそんな院長がとても好きだった。

俺は院長には気に入られているようだ。
多分、そっちの意味でも気に入られているようにも思う。
まあ実害があったわけではないから、好かれてる分には何の問題も無い。
嫌われるよりはマシ、と思える相手だった。

院長とカオル兄さんは同い年くらいだけど見かけも性格も当然全然違うバイセクシャルで、対照的だった。

、何かの本で、レズとホモセクシャルの人の比率はホモの人口が多いと言うのを読んだことがあるのだが、この病院ではその比率が違うように思えた。
俺が見る限り、男性が男性を好きになるような人たちは見当たらなかった(徹は拓也ちゃんに対しては怪しいけれど)。

その物理的な理由を毎日処方されている薬の所為だと判断する。
抗鬱剤や安定剤は、どうやら男性をインポテンツにするらしい。
それは勇志さんがそう言ったからなのだけど、信用するなら、「じゃあ勇志さんはなんでカオル兄さんにしゃぶってもらったの?」と聞かなくてはいけないだろう。
しかし実際、徹もそうらしい。
俺は全く影響が無いのに。

 
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