その台詞は神様に向けたものなんじゃないだろうか。
俺は変な物はよく見てしまうけど、神様は声しか聞いたことが無い。
今度、拓也ちゃんと話す機会があったら、神様の姿について聞いてみよう。

それからも拓也ちゃんは変な行動を繰り返して、友達になろうと俺に言った事もわすれて毎日高い声で明菜を歌いつづけていた。


俺と勇志さんと徹は、拓也ちゃんの様子を伺っていた。
と言うよりも、俺が拓也ちゃんに興味を持って、拓也ちゃんの動きを監察していたのだった。
勇志さんにしてみても、躁相になった拓也ちゃんは怖い存在らしいし、徹は徹で、

「実は俺、長谷川拓也みたいな奴、仲良くしたいタイプなんだよ」とか言い出すし。

拓也ちゃんの容貌は、まず見た目がいい。
太っている訳でもなく、痩せすぎてはいない。
堅く力強い線で覆われている。
髪は短くしているが、今回入院した当初は肩髪があったらしい。
何故かそれを、徹がとても残念がっていた。

「人形みたいに可愛かったんだぜ」とも言っていた。
拓也は本当はゲイなんだろうか。
可愛いとか、そんなの普通の男に言うだろうか。

どうせ俺は痩せすぎて骨だけで気持ち悪い。
一度拓也ちゃんの部屋と俺の部屋のメンバーが一緒のお風呂の時間になった時に拓也ちゃんの体をこっそり見ていたけど、腰も尻も小ぶりで気持ちよさそう、これが男の美しさだなって思える筋肉の付き方だった。

俺は太る時には尋常じゃない急激な太り方をするから、拓也ちゃんのような均整の取れた奇麗な体にはなれそうに無い。

俺の体は俺の言うことを全く聞かないのだ。
加減という物を知らない。

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