車の中でこれをするのは初めてだった。

「もう我慢出来ないです!」

痺れを切らした菅野が助手席から絶叫を上げた。
雪の日。
師走の秋田。
道路に積雪。
凍ってはいないが走りにくい。
前方車もノロノロと運転している。
車間距離は十分過ぎる程。

「我慢出来ないったってねえ。ホテル入るにしたってまだまだ先だよ」
杉浦は運転席から菅野を宥める。
「雪の馬鹿野郎!」
「言葉が良くないよ菅野くん。雪に怒ったって仕方ないだろ…ちょ、何してんの、危ないよ」
助手席から見を乗り出して、菅野が杉浦のベルトを外し始めた。

「かんちゃん危ない、やめなさい。事故るよ、怪我するよ」
「嫌だやめない。ここでスッキリしなきゃ死んだっていいです」
「どんだけなんだ君は」
「性欲の塊ですよ僕は!」
自信たっぷりに宣言した菅野はそのまま作業を続行し、杉浦のペニスを露出させた。
それは半分だけ勃起していた。

「杉浦さん」
「…なぁに」
「杉浦さんも、その気じゃないですかあ」
「…嬉しそうな顔しないで欲しいんだけど」
「嬉しいですよ?なんで?ダメですか?」
「危ないんだってば」
運転には気を遣っている。
降雪した路面。
ダメだ。
集中出来ない。

広い路肩を見つけて安心する。
停車する。
エンジンは切らない。
杉浦がため息をつくと、菅野はニヤニヤしながらそれを舌で一舐めした。
背筋が伸びる。

注意を窓の外に向けた。
国道をノロノロと走っていく車、車。
真っ白な雪。
この分では明日の朝は雪掻きからスタートだ。
先が思いやられる。

それに、これだ。

菅野は助手席から大きく体をはみ出させて、杉浦のペニスにむしゃぶりついている。
その音のいやらしさ。
杉浦も息苦しくなって呼吸が乱れる。
エアコンをかけているから、窓は透明に光っている。
近くに人が来たら、隅々まで見られる。
この寒さではわざわざこの田舎の国道の脇に車を停めて、ここまで様子を見にくる者もいないだろうが。

そう考えて安心した。
菅野の頭を撫でる。

何をしてるんだかんちゃん。
僕だけ気持ち良くなったって仕方ないじゃないか。

思うと同時に、菅野に動きがあった。

口で奉仕しながら、腰を浮かせ、片手で器用に自分のベルトを外した。
やはり片手でスラックスを膝まで下ろし、ボクサーパンツを下ろし。
菅野の小振りの尻が顕わになった。

右手は杉浦のペニスに添えて。
左手で自分の物を扱きはじめた。





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