いつまでも菅野に主導権を握らせたくない。
菅野のペニスを刺激しながら、ピストンを開始。
押し込めて。
ギリギリまで抜き。
また菅野を貫く。
何度も。何度も。

菅野の体内が、蠢き杉浦を離さない。
強烈な圧縮。
杉浦を咥えて。

貫かれる度に菅野は切ない媚声を杉浦に聞かせた。
その声にまで、負けそうだ。
なんでそんな声を。
いつもみたいに、色気も何も無い大きな声を上げればいいのに。
こんな時だけ、どうして。

「杉浦さんっ…やだ…嫌だ、気持ちいい…気持ちいいよ…」
「かんちゃん、ここだけでイケちゃう?」
「…うん…うん、イケちゃ…う…かも…」
「じゃあかんちゃんのチンポはいじんなくてもいいの?」
「やだ…やです、こっちも…触って…もっと扱いてくださ…い…」
「ねぇかんちゃん…はじめて、ゴム無しでセックスしてるよね…いいの?」
「うん…いいです、いいから、もっと、もっとして、ください…!」

その言葉で、熱くなった。
体勢を変える。
挿入したままで菅野の向きを変えて。
自分の方へ顔を向かせる。
後ろ手に自分を支えていた菅野に、目で指示する。
気付いた菅野は、喘ぎながら、杉浦の首に自分の両手を回した。

そのタイミングで、更に菅野は深々と杉浦に貫かれる。
小さな悲鳴。悦びの絶叫。
窮屈な姿勢だったが、整っている菅野の顔が、快楽で歪むのを見られる。
菅野の両足は軽く浮いて、湯の中でたゆたう。
水流に任せて、菅野がまた、軽く腰を振る。

「そんなに…いいの…?」
尋ねてみた。
菅野は下唇を軽く噛んで、どうしようもなさ気に頷く。
耐え切れない、と言った風に、菅野は力一杯杉浦の顔を引き寄せて、キスをした。
しながら、また訊いてみる。

「痛くないの…?苦しくない?かんちゃん、かんちゃんの中に入ってるんだよ?」
「うん、うん…入ってる…これ…気持ちいい…」
「何が入ってるか教えて。僕の、何が、かんちゃんの、どこに?」

言いながら、頭の奥の方で小さな自分が冷めた目で杉浦を眺めているのを感じる。

なんだこのチープなアダルトビデオの台詞。

チープで陳腐な台詞。
だが、効果は抜群だ。

「あ…す、杉浦さんのっ…チンポが…僕の…」
「うん、かんちゃんの?」

言いながら、お互いに熱を帯びた集中しているパーツがこれまで以上の感度になっているのを認めてしまう。

顔を寄せ、唇を求め合い、舌で相手を舐めあい、菅野が声を漏らす。

「杉浦さんのチンポがっ…俺の、俺のケツん中で…動いて…」
「かんちゃんの言葉は下品だな…」
「だって…って…杉浦さんっ…」
「いつもはちゃんと『僕』って言うでしょ」
「言います…言うよ…」
「もっと可愛く言い直して、かんちゃん」

何故か今日の自分はサディスティックだ。
頭の中の小さな自分が呆れている。

普段は菅野に任せっきりなのに。
菅野に責められて、勃起し、射精するマゾヒストの癖に。
今日に限って菅野を責めたい。

「杉浦さんのおちんちんが…気持ちいい…です…僕のお尻の穴の中で…動くから…気持ちいいっ…杉浦さんっ…」
「うん、いい子だかんちゃん。可愛い。よく出来ました…」

そろそろ限界だ。
杉浦は菅野のペニスをもう一度捕まえた。
敏感に反応する菅野に、つい嬉しくなる。

「気持ちいいんだ、かんちゃん…出してもいいよ」
「うん…うんっ…杉浦さん…」

腰の動きが急激に加速する。
菅野の体内が蠢動して杉浦を刺激する。
初めてだ。
初めて、菅野の中に発射する。
数秒後の妄想だけで、杉浦の頭の中は真っ白になりかける。

「出すよ、かんちゃん」
「僕もっ…僕も…イく…うぁ…」
先に、菅野が湯の中で射精した。
白く浮き上がる菅野のザーメン。

それが更に杉浦を興奮させて。
杉浦は菅野の中に精液を流し込んだ。



       

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