入学式。
マコと一緒に電車乗って出掛けた。

あの日結局、マコは俺んちに来て、ちょっと隣の家を覗いただけで、後はなんだか二人で女の子の話してた。

マコは小学校の時からずっと好きな片思いの女の子がいるらしい。
中学二年の時にその子は病気して、入院して、それからあんまり学校に来なくなった。
その子自身が頑張ってたから、受験して高校に受かったって。
同じ高校に行けるから嬉しいって。
また同じクラスになりたいって。
なんかマコらしいなぁって思った。

隣の家のお坊ちゃまくんも、小学校の1年の時に半年だけクラスメートになった奴だって事も聞いた。

皆一緒のクラスになれたらいいな、って、マコは言った。






そしたら。
 
マコがクラス発表の掲示板見て大声出した。
「マジでぜーいん一緒だレッド!お前も!」

俺は赤倉、マコは兎澤。お坊ちゃまは灘波。
マコの好きな女子は前園翔子。

確かに、1−Aの所にその名前が集まってた。

「で、しょこたんは来てんの?灘波くんは?」
「来てねぇなあ二人とも。前園は欠席かもなぁ。灘波はもしかしたら教室に入ってるかもしんねー」
「そうなの?だってまだ時間あんじゃん?」
「灘波はよー、何でも一番じゃないと気がすまない奴だったんだよ、昔。今でもそうならぜってー教室一番乗りしてっぞ」
「ヘンなヒトぉ〜」
 
二人でケラケラ笑ってたら、後ろから。




「おー。きーたんもジュンさんも俺もおんなしやん。1−Aやん」
「マジデー!?ミラクルじゃん!」
「今日の日記、共通の話題でカブるねぇ」
振り返ったら。

「あーやん」と「きーたん」だった。
もう一人、ボーイッシュなベリーショートの女子もいた。

「ジュンさん」?
またモビゲー仲間かなぁ。


「あれ?」

あーやんが俺を見た。
きーたんがその声につられて俺を見た。

俺はなんだかびびった。
まさか。

「ちょ、あーやん。このヒト」
「おー。髪の色ちゃうやん。コートとおんなしや」
二人は小さな声で言ったみたいだったが、俺にはしっかり聞こえてた。
なんか、なんかドキドキする。
きーたんじゃないけど、ミラクル過ぎるって!

「レッドー、行こうぜぇ」
マコが最悪のタイミングで俺のあだ名を呼んだ。
くぅ〜!今日のマコは許せねー!

俺は昇降口に進むマコを追いかけた。
 
後ろの方で、あーやんが

「レッドて。まんまやん〜」
って言ってるのも、聞こえた。





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