菅野が顔を上げて。

「脱毛に興味ありませんか杉浦さん」
「い、いきなり何なの」


「ここ、ちょっと剃りましょう」


「やだよ!何言ってんの菅野くん」
「ちょっと脱毛するだけですよ」
「ななななななんでだよ!脱毛って」

脱毛じゃなくて、それは剃毛だ。
そんなSMプレイに興味は無い。
無い事は無いが、毛を剃られるのには抵抗がある。

「言う程奥さんとセックスしないんでしょ?バレませんって。ちょっと僕がやりやすい様にするだけだから」
「や、やだよ」
そんな話をしながらも、菅野はずっと舌先で杉浦の亀頭を突いて遊んでいた。

「この…ここらへんと」
そう言って袋を吸う。
「それからここらへん…」
穴の周りを舐め上げられる。
声が出そうになる。

「もうちょっとツルツルしてたら舐めやすいのに!」
また、顔を上げて。真面目に。
「奥さんフェラなんかしてくれないでしょ、僕だけでしょ」
「前はしてくれたけど…」
「今はほぼセックス自体レスなんですよね?じゃあいいじゃん、ちょっとだけ剃らせて下さい。もっと気持ち良くなりますって」
「そ、そうかなぁ」
「そうですよ?ちょっと待ってて下さいね」」

杉浦の足の間から立ち上がり、ベッドから降りて菅野は風呂へ向かった。
全裸でベッドに残された杉浦は、寒くなって枕元にあったローブを腹に掛けた。

手にT字剃刀とシェービングソープのボトルを持って、菅野が戻って来た。
ニヤニヤ嬉しそうに。
全裸で。

「ホントに剃るの」
「はい、剃ります。危なく無いと思うけど、じっとしといて下さいね」

ボトルから泡を出す。
杉浦の股間に塗りつける。
「冷たい」
「冷たいですね。はい、足広げて下さい杉浦さん」
「うん」
言われるがままに。
ザリ、ザリ、と音がする。
菅野の指が伸びて、袋を平らに広げて。
またザリ、ザリ、と音が聞こえて、剃られる音。

「うん、いい感じだ。ケツ上げて下さい」
「う…」
少しだけ腰を浮かせる。

肛門付近にも泡。
冷たくて不思議な快感。
剃刀の刃をあてられる。
上手く剃れる物なのだろうか。

ザリ、ザリ。

恥ずかしい格好だ。
こんな格好させられて。
大の大人が。
小さな年下の後輩に、こんな格好させられて。
剃毛の理由が、舐めにくいから、だ。

「でーきた!綺麗だ!やっぱ僕、器用だなぁ」
満足げに菅野が叫ぶ。
自分からそこは見えない。
なんとなく不安だが、切れた様な痛みは無い。

菅野はまた屈んで、杉浦の尻の穴に顔を近づけた。
身構えてしまう。
快楽の予感に。

舌の全体を使う様に、菅野は杉浦の穴付近を舐める。
唾液塗れにして、杉浦が歓声を上げるのを待っている。

「かんちゃ…」
「んー?なんですー?気持ちいーですかぁ?」
「うん…気持ちいい…上になって…」
「了解です」
嬉しそうな菅野の返答。

菅野は杉浦に跨がり、脚を広げ、杉浦のペニスを握り、自分へと挿入させる。
苦しげな表情。洩れる吐息。
歪む、整った顔。

「杉…浦さん…」
「かんちゃん…」
菅野の顔を両手で包み、キスをした。


20090716完


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