∴ あなたも見てますか?










うぅ、寒っ!

せっかく気持ちよく寝ていたなまえだったが、途中でトイレに行きたくなりしょうがなく起きることにした。布団から出ると部屋の中は凍えるように寒く、早く布団の中に戻りたいと思った。

今日は今年一番の寒さになると、先生が言ってたっけ。

そんなことを思いながら足早にトイレへと駆け込んだ。便座に腰を下ろそうとするが、何分便座カバーをしていないため、腰を下ろすにも少し時間がかかってしまった。



「つ、めたぁっ!」



やはり便座カバーは買っておくべきだった。なまえは心の中で後悔した。用を足し終わり早く部屋へ戻ろうと自室に向かう途中、窓の外を何気なしに見てみた。



「…あ、」



だから、寒いのか。

外は大粒の雪が降っていた。なまえは雪が降ってるから寒いのか、と納得し自室に戻る。雪か、明日は積もるかな、なんて考えながら携帯を開くと新着メールが一件来ていた。



「…"起きてる?雪だよー!"……」



日付と時間を見ると、まだ数分しか経っていなくて、さっき来たばかりだとわかった。自分がトイレに行っている間に、メールが来たらしい。なまえは冷たい手を必死に動かし返信メールを打つ。



「…明日、積もるといいなぁ」



そう呟くと携帯を枕元に置き、眠りについた。
























ジャックはキングとトレイとゲームをしていた。泊まりがけで三人はゲームに夢中になっている。途中、ジャックはトイレに行きたくなったので席を外し、トイレへと向かう。その時、窓に白いモノがくっついた。何だろう、と首を傾げて窓に近付き覗いてみると、外は雪が降っていた。

うわ、雪だー!

深夜にも関わらず声を大きく出したジャックに、トレイがうるさいですよ!と注意をする。ジャックはごめんごめんと軽く謝り、トイレへと駆け込んだ。



「(……あっ!)」



きっとなまえは起きてないだろうと思うけど、と携帯を手に取り文字を打つ。

"起きてる?雪だよー!"

そう打つと送信ボタンを押し携帯をしまった。トイレから出ると、ポケットに入っている携帯が震え出した。え、起きてるの、と少し驚きながら携帯を開く。



「"さっきまでトイレ行ってた。雪見たよ!明日、積もるといいね!おやすみ"……へへ」



さっきまでトイレに行ってたなんて報告、いらないのに。そう思ったジャックだったが、なまえとタイミングがあったことに思わず笑みを浮かべた。部屋に戻るとお前顔気持ち悪いぞ、とキングに突っ込まれる。ジャックはニコニコしながら先ほどのなまえとのやりとりを話すと、キングとトレイは顔を歪ませ、バカップルめと呟いた。



(2012/1/24)
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