∴ ひなたぼっこデート













裏庭は風があまり通らないからかとても暖かい。なまえにとってはひなたぼっこに最適な場所だ。授業の合間の放課はだいたい裏庭でのんびり過ごしていた。
ケイトやデュース、噂好きなクイーンたちとお喋りするときも大抵裏庭だった。今日もなまえは裏庭に来ていたが、いつも喋るメンバーは居なかった。仕方なく裏庭のベンチに1人で腰をかける。なまえは空を見上げると鳥たちが鳴きながら頭上を通るのが見えた。このほのぼのとした空気に、たまには1人で過ごすのも悪くないとなまえは思った。





「なまえ!」

「!」





自分の名前に反応したなまえは教室へと繋がる扉に顔を向けた。そこにはジャックがにこにこしながらなまえのほうへ歩を進めていた。





「珍しいね、ジャックがここに来るなんて」

「なまえが1人でいるの見えたから来ちゃった」





ジャックはにひひと笑うとなまえの隣に腰をかける。なまえはそんなジャックに微笑んだ。





「今日はいないんだねぇ、ケイトとかクイーン」

「うん、来ても居なかったんだよね」

「ふーん…でももう大丈夫!僕が来たからねぇ」

「ふふ、ありがと、ジャック」





そう言うとジャックは照れ臭そうに笑いなまえの手をとる。自然と絡み合う2人の手になまえとジャックはお互い顔を合わせてクスリと笑った。





「なんかさぁ、デートみたい」

「そう?でもこれ、なんのデートなの?」

「うーん…と、あっ、ひなたぼっこデート!っていうのはどう?」

「ひなたぼっこデート…」





うん、悪くないかもとなまえが呟くとジャックは嬉しそうに笑い、またひなたぼっこデートをしようと持ちかける。それに答えるかのようにジャックの手を握るとジャックも気付き握り返してくれた。
2人は約束ねとお互いの小指を絡めて笑い合う。
友達と喋るのも楽しいけど恋人とこうしてのんびりできるのも楽しいな、と感じた午後の出来事だった。

(2012/1/18)
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