∴ 二人分買ってきたよ










噴水広場。

なまえは1人そこに座って噴水を眺めていた。太陽の陽射しが暖かくて思わず欠伸が出てしまう。授業のときも席が窓際なので陽射しが暖かくてつい居眠りをしてしまった。居眠りをしてしまったせいでクラサメ先生に課題を出されてしまい今日はついてないなと肩を落とした。
しかしこうなってしまったのも全部太陽のせいだとなまえは考えることにした。



「っ!つめたっ」

「なまえ、見ぃつけた」



頬にひんやりとした物を押し付けられ吃驚するなまえにジャックはしてやったりという顔をしてなまえの隣に座った。ジャックの手には水滴がついている缶が握られていて、頬に当たったのはこの缶のせいだとすぐになまえは気付いた。ジャックはなまえが缶を見ていることに気付くと缶を差し出した。



「はい、これ」

「え、」

「ついでに買ってきたんだよー」



そう言ってジャックは缶をなまえの手に持たせる。なまえは戸惑いながらもそれを受け取りジャックに礼を言う。ジャックが缶を飲み始めたのでそれを見ていたなまえも飲みたくなったのか缶の蓋を開けて口につけた。



「…おいしい」

「ならよかったぁ」

「本当にありがと、ジャック」

「いえいえどういたしまして!」



ジャックは本当はついでに買ってきたのではなかった。なまえのために、もしいらないと言われたとしてもなまえにあげたかったからだ。
なまえに喜んでもらえたジャックはこれからも何か買うときは二人分買ってこようと思ったのだった。


(2012/1/17)
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