∴ ねぇ、こっち向いて?



ジャックくんってかっこいいなぁ、ジャックくんの声ってすごいいい声だなぁ、あの声で私の名前呼んでほしいな…ってなんか変態ちっくだって自分なに考えてんの。…それに背も高いし、面白いしかっこいいし、あの大きな手で頭撫でられたいな、あああ私の頭、ジャックくんしか考えられない頭になってるよ、やっぱり変態ちっくだ自分。あーあ、ジャックくんこっち向かないかなぁ。



「なまえ?」

「!?あ、あー…ケイトか…」

「何よ、あたしで悪かったわね」

「あ、いやいやそんなことないよー!」



ケイトと話しながらもやっぱり視線はジャックくんのほうへと向いてしまう。頬杖をついて私を見るケイトは心底呆れたような表情をしている。友達に呆れた表情をさせるくらい私はジャックくんに夢中だということだ。ケイトには悪いんだけど、意識はいつもジャックくんを捕えてた。

はぁ、ジャックくんこっち向かないかなぁ。














なまえさんのこと意識し出してからなまえさんのほうを見つめる自分がいた。気持ち悪いくらい、視線はなまえさんに向いていてキングもトレイも呆れた顔で僕を見ていた。友達に呆れられるなんてどんだけ僕はなまえさんに夢中なんだろう。あの小さい体に抱き着きたいし、あの小さな手を握りたい。あわよくばキスもしたいし、その先だって。そう考えて、自分はやっぱり男だなぁと納得してしまった。なまえさんが気になってしょうがないんだよねぇ。
あーあ、こっち向いてくれないかなぁ…。



「…こんなもどかしくなるとは思わなかったな」

「えぇ、どうして私たちがモヤモヤしなければならないのでしょうか。なんか納得できません」

「!な、なんの話してるのー?」

「あ、なまえがこっち向いたぞ」

「え!?うそ!?……向いてないじゃんかぁ!」

「あ、今こっち見ましたよ」

「えぇ!?………二人ともからかうな!」

((本当に向いてた(んですが)(んだが)))



二人が僕をからかって面白がることはわかってたし、覚悟していた。からかわれるのは嫌だけど、友達に隠し事はできないから好きな子ができた、と言った。それこそなんの冗談だ、とか抜け駆け禁止って言いましたよね、とか言われたけど結局二人は僕の恋を応援してくれるから良い友達を持ったなって感動した。だからキングとトレイに好きな子ができたら全力で応援したいと思う。僕の恋が成就したら、だけどね。
はぁ…なまえさんこっち向いてよ、ねぇ。












(どうせ目が合ったところでそらすことしかできないけど)
(でも目が合ったら今日一日テンション上がるんだよね)



(2012/2/24)
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