ジャックと甘々













すごく突然だが、私はジャックが好きだ。
ジャックも私が好きだ。
0組の中で私とジャックは相思相愛で、もちろん公認のカップルだ。
それはもうナインやクイーンがしかめっ面をするくらいの熱々っぷりだ。

もちろん、授業中とか任務中はベタベタしないがその分授業や任務外ではベタベタイチャイチャ。
あ、ちゃんと人目のいないところですよ。
0組の裏庭とか、教室とか。
0組の皆には見られたって大丈夫。慣れてくれたから。





「なまえー!」


「ジャックー!」


「……あのバカ2人はどうにかならんのか」


「残念ながら無理でしょう」


「まったくよーあいつらマジでどうにかなんねぇのかよコラァ」


「本当、見てるこっちが恥ずかしくなるな…」





キングとナインとエイトとトレイがこちらを見ては溜め息をついて呆れている。
きっと羨ましいんだろう、私とジャックがこんなにラブラブなのが。
ジャックが椅子に座って、私はジャックの間に座る。
授業が始まるまではずっとこんな感じだ。

ジャックは私の首辺りに顔を埋める。
くすぐったいよ、と言えどもジャックはなかなか離してくれない。
そんなジャックがかわいくて仕方ない。





「ねぇ、なまえ」


「うん?」


「んー…僕の部屋行かない?」


「ん、いいよ」





そう言うとジャックは嬉しそうな顔をして席を立つ。
ジャックが部屋に誘ってくるのは今よりもベタベタイチャイチャしたいと思っている証拠。
人目を気にせずベタベタできるところなんて、自室以外のどこにもない。
私とジャックは手を繋いで教室を出る。

こちらを呆れた顔で見ていた4人の溜め息が聞こえた気がした。






























「到着ー!」





ジャックの自室に着くと2人してベッドに倒れ込む。
ふふふ、と笑い合ってはジャックが私の頬に唇をつける。
私もやり返しと言わんばかりにジャックの頬に唇を当てた。





「〜っかわいいなぁほんとにぃ」


「ジャックこそかわいいよー」





かわいいと言うとジャックは少し嫌そうな顔をする。





「かわいいじゃなくてさぁ、かっこいいって言われたほうが嬉しいんだけどなぁ…」


「んふふーごめんね、ジャックはかっこいいよ!この世でいちばんっ!」


「……へへ、だよねぇ」





ジャックは当然、と言うような顔をして私の頭を撫でる。
ジャックの大きな手が私は大好きだ。
喋り方とかはまだ幼さが残っているけれど、身体はしっかりと大人に近づいていて、背もいつの間にか私よりも大きくなった。
私はジャックの後ろに回り込み、大きな背中に抱き着く。





「どしたのー?」


「…ううん、」





戦争、早く終わらないかな。
なんて、私らしくない。
でも戦争が終わったら、ジャックともっとこうしていられるのにな。





「ジャック、」


「ん?」


「暖かいね」


「……そうだね、暖かい」





背中に耳を当てるとジャックの心臓の音が聞こえる。
ドクン、ドクン、とリズムよく脈を打っていて、その音を聞くたびに生を感じる。



大人になったらどんなことしてるのだろう。

ふとそんなことが思い浮かんだ。
私は絶対、ジャックと幸せになりたいなぁ。
ジャックは大人になったら何したいんだろう。

私は首を上げてジャックに問い掛けた。





「ねぇねぇ、ジャックはさぁ、大人になったら何したい?」


「…えー、大人になったらかぁ…」





うーん、と考えながらジャックは私に向き直る。
鼻と鼻がくっついて、私はジャックの目を見つめる。





「……なりたくないなぁ」


「え?」


「大人に、なりたくない」





相変わらず笑顔で私を見つめるジャックに、私は首を傾げた。
大人になりたくないって、どうしてなんだろう。
私の考えてることがわかるのかジャックは口を開く。





「だってさぁ、未来のことなんて誰もわからないじゃん?もしかしたら、僕が死んでるかもしれないんだよ?」


「んなっ…」


「だから、僕は今、こうしてたい。未来を考えるよりもなまえと今を精一杯生きていたいなぁ、そのほうが楽しいと思うんだぁ」


「!……」





ギュウと抱き締めてくれるジャックに、私もそれに答える。
そして、そうだね、と呟く。
未来を考えるよりも、今を精一杯生きよう。
ジャックと今を思う存分楽しもう。

身体が暖かくなってきて、瞼も重くなってきた。
うとうとしていたら、ジャックがおやすみ、と呟く。
私も、おやすみ、と呟くとそのまま意識を手放した。
































(……お預けかぁ、ま、たまにはこんな日もいいかなぁ)
(僕も寝ようっと。夢で会おうねぇなまえ、)







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