誕生日まであと3日




「ううう…」



徹夜でずっとジャックに合うベルトを探すがなかなかピンとくるものがなく、頭を抱える。どうしよう、誕生日まであと3日しかない。色んなファッション誌を見て色んな種類のベルトを見てもどれもしっくりこなかった。
どんな物がいいか、誰かに聞いてみよう。そう思い立った私はある人物のところへと駆け込んだ。



「少年K!助けて!」
「…一体どうしたんだ」
「私、もうわけがわかんない!」
「俺もお前がわからないんだが」



少年Kの部屋の扉を勢いよく開けたら、そこには上半身裸の少年Kがびっくりした顔をして私を凝視した。正直少年Kよりもジャックの上半身のほうが見たかった、などとほざいた私に少年Kはグーで頭を殴った。痛い、痛いよ少年K!



「何も用がないなら帰れ」
「用事があったから来たんだよ!少年Kの上半身は別に見たくなかったけどさ!」
「…用がないなら帰れ」
「話します、話させてください」



土下座をして頼む私に少年Kは深い溜め息をつく。私は少年Kを見上げ口を開いた。



「あのさ、ジャックにはどんなベルトが合うと思う!?」
「…ジャックにベルト?」
「そう!ファッション誌に載ってるベルト見ても、いまいちピンとこなくて」
「それでずっと悩んでたのか?」
「えっ、まぁ、うん」



なんでずっと悩んでたってわかるのだろう。そう思った私に少年Kは考えてることがわかったのかフッと笑って隈ができてるぞ、と言った。



「寝ていないだろう?」
「うーん…多分」
「大丈夫なのか?」
「大丈夫大丈夫!それにジャックに合うベルトが見つかるまで寝ていられないし!」
「そうか」



寝ていないせいか瞼が若干重く感じる。だけど寝るよりもジャックのために何が合うか見つけておきたい。ジャックの喜ぶ顔が見たいから。



「それなら、手作りはどうだ?」
「へ、て、手作り…?」
「あぁ、手作りなら自分の思うようにできるだろ」
「で、でもなんかそれって安っぽく感じないかな…」
「高い安いよりも、気持ちが大事だと思うぞ」
「!」



S姐さんも言っていた気持ちが大事って。手作りのベルトに、気持ちをこめればジャックも喜んでくれるだろうか。そう呟けば、少年Kは安心させるかのように笑って、喜ぶさ、と言ってくれた。



「…ん、私手作りのベルトプレゼントする!」
「ベルトの作り方はナギに聞いてみるといい。アイツなら何か知ってるだろう」
「わかった!ありがとう!少年K!」
「頑張れよ」



元気よくお礼をして少年Kの部屋を後にした。目指すは自称アイドルのナギさんだ。よーし、愛情こめて作るぞー!






「あいつも幸せ者だな」



あんなに想ってくれる奴がいるなんて。
キングがそう呟いていたことをなまえは知るよしもなかった。


ジャックの誕生日まであと3日!




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