誕生日まであと6日




朝から少年Eに襲われ疲れきってしまった私はいつの間にか寝ていた。起きたら自分の部屋のベッドで寝ていて、少年Eが運んでくれたんだなとボーッと考えていたら、いつの間にかまた眠りについていた。
朝起きてモーグリの目覚まし時計を見たら、朝の10時を指していた。それを見て1日って経つの早いんだなと染々思った。



「…いやそんなこと言ってる場合じゃないし!」



つーかどんだけ寝てんだよ自分!確かにここ最近、ジャックに会っていないせいで悶々して眠ることができなかったのもあるかもしれないが、でもこれは寝過ぎだ。
勢いよく飛び起きた私はササッと身支度をし、部屋を飛び出した。目的地は少年Nのところだ。



──ドンッ

「あだっ!」
「いてっ」



曲がり角を曲がろうとした瞬間、誰かとぶつかり私は尻餅をつく。すみません、と謝ろうと顔をあげたらそこには顔を歪めて私を見下している少年Nがいた。



「いってぇなぁオイ」
「少年Nだったのか!ごめんごめん」
「気を付けろよコラァ」



そう言って私から離れようとする少年Nに、慌てて腕を引っ張って止める。少年Nは振り返りなんだよ、と不機嫌そうに言った。



「ねね、少年Nには期待してないんだけどさ!」
「はぁ?」
「ジャックにあげる物、何が良いと思う?」
「期待してねぇなら俺に聞くなよ」
「えー、そんなこと言わないで!少年Nには期待してるんだって!」
「お前今期待してねぇとか言っといて何だよそれ!」
「前言撤回するから!ねっ、何がいいかなぁ」



未だしかめっ面の少年Nに、私は両手を合わせてお願いする。少年Nはしかめっ面のまま、腕を組み唸り始めた。なんだかんだ一緒に考えてくれるあたり、少年Nは優しいと思う。



「アイツが好きそうな物ねぇ…」
「うんうん!」



そう言って私をチラッと見る少年Nに、首を傾げる。そして、いやさすがにそれはねぇよなぁと呟き深い溜め息をついた。さすがにそれはないって一体何のことだ。



「……あ、ベルトとかどうだオイ」
「ベルト?」
「あぁ、最近あいつ新しいベルト欲しいとか言ってたぜ」
「ベルト、ベルトかぁ!いいね!さすが少年N!よっ、男前!」
「お、おう、まぁ俺に任せればこんなもんよ」



照れ笑いを浮かべる少年Nに、私は少年Nの手を取って本当にありがとう!とお礼を言いどんなベルトがいいか自室に戻って調べることにした。











「あれ、なまえとナイン…?えっ、ちょ、何で手繋いでるの?てかナインなんか照れ笑いしてるし!どういうこと!?」



たまたま通りかかったジャックが二人を見かけ、その場面がちょうど手を取り合っているところだった。ジャックはエースのことといい、エイトのことといい、そしてナインのことといい、なまえが何を考えているのかわからなくなるのだった。



ジャックの誕生日まであと6日!




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