誕生日まであと11日




只今絶賛落ち込み中。
一生懸命ジャックに合う靴下を探していたのに少女C2から靴下はもういらないみたいと言われて私の中にあったジャックに靴下を渡して喜ばれる妄想が音をたてて崩れ去った。
いやまだ誕生日まで11日もあるじゃないか。まだ大丈夫、まだ私に勝機はあるはずだ!



「少女S様!」
「……はぁ?」
「ぎゃ!こ、殺さないでくださ…!」
「誰が殺すかよ!」



0組の皆に聞くなら仲間外れせず皆に聞いてまわるはずだったのだが、やはり少女S様に聞くのは間違ったのかもしれない。でも少女S様だけ仲間外れというのも罪悪感を感じるので仲間外れにはできないが。
ちなみに様付けしているのは恐いからだ。



「珍しいなぁ、アンタがわざわざあたしの前に現れるなんて」
「えっいやっだって仲間外れカッコ悪いじゃないですか!」
「へぇー?んで、少女S様ってなんのつもりだ」
「ひいぃ!め、メンチ切らないでください!」
「てめっこれがあたしの普通だ!」



クワッと顔をしかめる少女S様に私は頭を抱えて身を守る。何にもしねぇよ!と言う少女S様に私はゆっくり両手を頭から離した。



「ほんと失礼な奴だな」
「よく言われます」
「ちっ、あー喉かわいちまった」
「ただいまっ!」



そう言うと私はすぐにリフレへ走り、飲み物をマスターから貰って少女S様のもとへ戻る。飲み物を少女S様に差し出せば、満足そうな顔をして受け取った。あれ、少女S様の持ってる飲み物のラベル…酢って書いてあるんだけど。



「酢っぺぇえええ!」
「ぎゃー!」



少女S様は酢っぺぇえええ!と叫び口の中から酢っぱい液体を吐き出した。マスター、なんでこんな勘違いするような入れ物に酢なんて入れたの!?少女S様も酢って書いてあったのにも関わらず何故飲んだの!?酢っぱい臭いしなかったの!?はっ、もしかしてこれは少女S様なりのボケなのか!



「酢っぱ、なにこれ酢っぱ!てめぇ、なんてもんを」
「すすすんません、あっこ、これで拭いてください!」



ちょうど首にかかっていたタオルを差し出したら少女S様は不機嫌な顔をしながらもそれを乱暴に受け取り口元を拭く。あ、ていうかそのタオル、もしかして。



「鼻水と涙を拭いたタオルだ……」
「!こ、コノヤロ、んなもん寄越すんじゃねぇ!」



少女S様はすぐに私にタオルを投げ付けた。ごめんなさいいい、と謝る私に少女S様は腕を組み鋭い目付きで私を睨み付けていて、蛇に睨まれた蛙のように私は怯えきっていた。



「なまえ、覚悟はできてんな?」
「ハッ、何なりと」
「昼飯1週間」
「えっ!」
「文句あんの?」
「ハッ、文句があるわけありません!」



ニヤリ、と不敵に笑う少女S様を見てやはり仲間外れするべきだったかな、と後悔の念が押し寄せるのだった。


ジャックの誕生日まであと11日!




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