短編 | ナノ

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──町の中にある爆破装置を破壊せよ。




クラサメ隊長から皆へ今回の任務内容が伝えられる。
そんな中ナインだけは落ち着かない様子で手元を見ていた。
教室を出るときもキングに声をかけられてから気が付く始末。
そんなナインに皆は苦笑を浮かべるしかなかった。





「ねぇ、クイーン。あの子はいつ合流するの?」


「現地集合らしいですよ」


「現地集合?あの子死んでないといいけど…」


「そうですね…」





只でさえ皇国から奪取したばかりの町。
まだその町付近には皇国兵がウロウロしているはずだ。
候補生とはいえ4組だし、もし皇国兵に襲われたらと思うと背筋が凍る。

ナインの様子から、その4組の子に相当惚れ込んでいるのがわかるため、皆4組の子が無事なのを祈った。































「!あれは…!」


「なんだっ!?」





任務地に近付くにつれ砂煙が舞う。
そして砂煙が晴れた先にあった町は何故か炎に包まれていた。





「ほ、炎…!?」


「まさか!あそこの町はもう朱雀が落としたはずです!」


「でも実際は炎に包まれてるじゃないか!」


「どういうことだ…!」





朱雀が落としたはずの町が、炎に包まれている。
それは紛れもない事実で、0組は暫く呆然とするしかなかった。





「オイ、あそこは俺らが落としたんじゃねぇのかよ!」


「ナイン!落ち着け!」


「落ち着いてられっか!あいつは…!」


「ナイン!彼女のことを覚えているということは彼女はまだ生きているはずです。少し冷静になりましょう」


「っ…!」





トレイがナインをなだめる。
ナインは歯を喰いしばり、拳を作った。
そんなナインに皆は心を痛めた。





「!皆さんCOMMが反応してます!」


「!」





デュースはCOMMに耳を傾ける。
COMMからはクラサメ隊長の声が聞こえた。





『まだお前達は町に着いていないか?』


「は、はい…あの隊長、町が炎に…!」


『ああ、どうやら皇国に奇襲をかけられたと連絡が入った。お前達はそのまま町へ潜入し、皇国兵殲滅及び民間人の保護に任務を変更する。先に向かった候補生もいくらか殺られている。早急に町へ向かってくれ』





そう言うとCOMMが切れる。
候補生もいくらか殺られている、という言葉に皆は顔をナインへ向ける。
ナインはCOMMを聞いた後、すぐに槍を出し1人で町へ向かって走っていく。





「あ、ナイン!」


「皆、行くぞ!」





ナインの後を追いかける0組。
どうか彼女が無事であってほしいと、願ってやまないのであった。