短編 | ナノ

キングと尻(2)




サイスさんとナインさんとジャックさんのお陰で念願のキングさんのお尻を触れました。
あのあと、私は新しい武器を造りました。

これが試作品です、見てください!触ってください!このぷりんっとした触感!

キングさんのお尻を再現してみました!



「え……ちょ、なにこれ気持ち悪っ」
「こ、これがキングの尻と同じ触感なのか…?」
「くっ…あはははは!キングの尻こんな触感なのかよあはははは!やべぇ笑いが止まらねぇあははは!」
「おい…なんか俺触りたくねえぞコラァ」
「僕もー。だってキングの尻と同じ触感なんでしょ?やだやだ、男の尻触るみたいで気持ち悪いもん」



この間協力してくれたお三方+お友達のケイトさんとセブンさんに私が造った新しい武器の試作品を見せにきました。

サイスさんは大爆笑してますが、他の4人はなんだか不気味な物を見ているような表情で私の手にある武器を眺めます。

ちなみに武器の詳細をば。
色は何色でも変えられる機能がついていて、その中には爆弾装置が仕掛けてあります。
もちろん爆弾装置だとわからないように、人の目からは見えないよう造られています。
一度相手にくっついたら離れないという接着力最強に仕上げ、そして触感も堪能できるという夢の時限爆弾なのです!



「一度くっ付いたらって…今はくっ付いてないの?」
「はい!このくっ付かない手袋を装着している限りくっ付きません。そしてくっ付けさせるには思いっきり投げつけるか、直接相手にくっ付けさせなければ、くっ付きません!例えば、こんな感じです!」



私はナインさんの肩に爆弾を思いっきりくっ付けます。
ナインさんはぎゃああああ!と叫びましたが、これは爆発しないんで大丈夫ですよ、とフォローも入れます。



「いやいやいや!爆発しないのは当たり前だコラァ!爆発しちまったら俺死ぬだろぉが!つーかなんか爆弾がぷるぷるしてんだけど!これマジ気持ち悪いぞコラァ!」
「うっわぁ…くっ付いてもぷるぷるしてる…なんかある意味すごいねぇコレ」
「!まだまだ在庫あるんでいりますか!?」
「いやそれは遠慮しとくー」



ナインさんの肩でぷるぷるさせている私の武器、いや爆弾。
ムツキと被るところもあるかもしれませんが、私の爆弾はキングさんのお尻の触感をプラスさせているので、文句は言わせません!



「なに話してるんだ?」
「ナイン!?その肩についている物はなんなんですか!?」



あ、初めましての人が現れました。
眼鏡をかけて真面目そうな女の子とすっごい美形な男の子です。
美形な男の子のほうはカヅサさんが好みそうなタイプですね。



「クイーン、これ触ってみなよー!」
「え、えぇ………!?な、なんですかコレは!?見た目通りにぷるぷるしてますが…」
「それ、キングの尻の触感とおんなじなんだってさ」
「!??な、な、わ、わたくしは…!」
「あはははは!クイーンすげぇ取り乱してるよあはははは!」



サイスさんはさっきから笑ってばかりです。
そんなに面白いのでしょうか。
私は至って真面目にこの武器の評価をして頂きたいのですが…。



「その色…12組か」
「あ、はい!初めまして、なまえと申します!よろしくお願いいたします!」
「僕はエース、よろしくな」
「はっ…!あ、わ、わたくしはクイーンと言います、…あの、これは本当にキングの、お、お、お尻の触感と同じなのですか?」
「はい!でもキングさんのお尻には一回しか触ってないので、まだまだ未開発ですね。もっと触れたら、よりキングさんのお尻に近い触感にできると思うんですが…」
「〜〜〜!!?」
「クイーンが壊れたな…」
「おいそんなんはどうでもいいからよ、さっさとこの気持ち悪ぃもん取れよコラァ!」
「皆さんにこの触感を是非味わってほしいので、ナインさん、明日までよろしくお願いします!」
「はああ!?ふっざけんじゃねぇぞコラァ!風呂とかどーすんだアァ!?」
「服を脱げばいいじゃないか」
「そうです、服を脱げばいいだけですよ」
「…………」
「状況が把握できないんだけど…ナインの肩に乗っているこの物体は、キングの尻と同じ触感だと言うことか?」
「エース、それ十分状況把握できてるよ」
「また明日こちらに伺いますのでナインさん、お願いしますね。あ、ついでにキングさんの反応も聞きたいので、聞いておいてください!」
「あははは!ナインの肩にキングの尻…!く、クイーンのその顔…!あー腹いてぇ…!あははははは!」
「サイスはいつまで笑ってるんだ…」
「僕がキングの反応聞いておいてあげるよぉ」
「ジャックさんありがとうございます!あ、皆さん欲しかったら言ってくださいね!」



それでは!と片手を上げて0組の教室を後にします。
明日が楽しみです。
どんな反応するのでしょうか、キングさん。
ああ、もっとちゃんと触れたらあの爆弾よりももっといい爆弾ができるのに…!
またサイスさんたちに協力してもらいましょう!





(…………ナイン、なんだそれは)
(アァ?!これはなぁてめぇのケツだよコラァ!)
(は?)
(正しくはキングの尻の触感と同じ爆弾だ)
(は?)
(キングーそれ触ってみなよぉ!自分のお尻がいかにぷるぷるしてるかわかるよー)
(………)
(あーはっはっは!き、キングの尻見てるとナインの肩に乗ってる爆弾と瓜二つすぎて笑いが止まらねぇ!)
(!)
(キング、お尻隠さなくたっていいじゃん)
(隠したくなるだろう、サイスにあんなこと言われたら…)
(僕も触ってもいいかな)
(……何故俺に聞く)
(コレに触るということはキングのお尻を触るのと一緒だろう?)
(………)
(きききキング!す、す、すみません…!私…あなたの…!)
((もう勘弁してくれ…!))