短編 | ナノ

0組と元旦





※未成年飲酒有りにつき注意
※よい子は絶対真似しないで下さい





























12月31日、0組専用の寮ではあるイベントが行われていた。

それは忘年会だ。

もちろん未成年なので酒は飲めない。
なので気分を盛り上げるため、酒の代わりに炭酸ジュースを皆のグラスに注ぎ0組一同はどんちゃん騒ぎをしていた。
お酒を飲んでいないのに何故か顔を赤くしている人が若干名いたが、きっと気分に酔ったのだろう。

部屋の隅っこにウ○ッシュと書かれた缶が数個転がっているのは気のせいだと思いたい。





「なまえー!あんたもこっち来なさいって!」

「えっ私はやめと」

「ノリわりぃなコラァ!つーかよなぁんでこんなに頭がフラフラすんだアァン?」





きっとウ○ッシュを飲んだであろうケイトとナインがなまえに絡み出す。
一体誰がウ○ッシュなんかを持ち込んだのだろうか。
なまえはこめかみを押さえながら可能性のある人物を思い浮かべた。
いや大方把握はできている。
あのバカ3トリオだろう。





「あ、頭がグラグラしますね…地震でも起きているのですか?」

「地震じゃないよ、クイーンの頭が揺れてるからだよ」

「そうですか、では机の下に隠れないといけませんね」

「地震起きてないから隠れなくても大丈夫だよ」





クイーンは先程ケイトとナインに取り抑えられ、ウ○ッシュを一気に飲まされてしまったらしく顔を真っ赤にさせ頭が揺れている。
眼鏡がずり落ちそうなクイーンになまえは冷静に突っ込みながらも介抱をしていた。

明日はきっとケイトとナインはクイーンにこっぴどく叱られるに違いない。





「おぅ、キングお前なかなかイケるんだなぁ」

「ふっ当たり前だろう。いくつから飲んでると思ってるんだ」

「いやいくつからって昔も今も飲んじゃいけない年だからね」

「よっしゃ、いっちょ飲み比べやろうじゃねぇの」

「言っとくが強いぞ俺は」

「「飲み比べは駄目(だ)!!」」





サイスとキングが飲み比べを始めそうだったのでそれを止める私とセブン。
セブンはウ○ッシュの缶にいち早く気付き私に教えてくれた。
ちなみに酔っていないメンバーはエース、デュース、セブン、エイト、私のたった5名。
シンクはバレなきゃ大丈夫だよ〜と言いながら飲んでしまい、只今トレイに毒を吐いている。
トレイはシンクに毒を吐かれすでに泣いてしまっている。
それをケイトとナインとジャックが爆笑しながらお菓子を頬張っている状態だ。

ウ○ッシュは数缶しかなかったので今はもう皆炭酸ジュースを飲んでいるのだが、やはりすぐに酔いは冷めない。
クイーンは今私が介抱している。

私とセブンは顔を合わせて溜め息をついた。





「皆さん…大丈夫でしょうか」

「全くマザーにバレたら確実に怒られるよなアレは」

「ああ、でもバレたところで僕達には関係ないから庇う必要はないな」

「エース黒いよ」

「まぁ、もう飲んでしまったものは仕方ない。私たちも関わってしまったんだから、面倒は最後まで見たほうがいいだろう」

「でもそれにしちゃ羽目を外しすぎだってアレは…」





なまえが見つめる先には酔っ払いたちの姿があった。
ふと時計を見るとそうこうしているうちにあと1分で今年が終わろうとしていた。
デュースは顔を輝かせてなまえたちを見る。





「もうすぐ年が明けますね!」

「そうだな、今年も色々あったよな」

「来年はどうなることやら…前途多難だな」

「…でも僕は来年も絶対楽しいと思うな、なぁなまえ」

「うん!今年も楽しかったけど来年は今年よりも楽しくなるよ!だって0組だし!」

「そうそう!僕もぜぇーったい来年も楽しくなると思うよぉー!」

「うわっジャックいつの間に!?」

「ちょっとー!アタシたちも仲間に入れなさいよー!」

「そうだぜコラァ!んなコソコソすんじゃねーよ!仲間外れはいじめだぜコラァ!」

「おいいつまで泣いてんだよコイツ」

「うぅ…わ、私はそんなにっうっ五月蝿いですかっ」

「ちょ、トレイそんなことないよ!泣き止んで!シンクもいじめすぎないの!」

「ふふ〜ごめんごめ〜ん」

「反省の色全く見せてないな」

「皆さんそろそろ年が明けます!カウントダウンしましょう!」

「!クイーンさんいつの間に復活されたんですか?」

「さっすが委員長ー!復活するの早いねぇー!」

「委員長じゃありません!」

「ちょ、クイーンいきなり立ったら駄目だよ!あぶなっ」

「す、すみません…」

「あぁ〜もうあと20秒だよぉ〜」

「もうそろそろだな」

「よし、皆グラスを持つぞ」

「あたしのグラス空っぽなんだけど!」

「ほら、サイス」

「お、サンキュ、セブン」

「あっ、皆さん!あと12秒です!」

「微妙!デュースそれ微妙だよ!」

「なまえ、突っ込んでる暇ないぞ」

「せーのぉ、8!」

「それも微妙だよ!ジャック!」

「だからなまえ、突っ込んでる暇は」

「5!」
「4!」
「3だぜコラァ!」
「2!」
「「「「「いちっ!!」」」」」





「ハッピーニューイヤァァァー!!」





皆はグラスを高々にあげ乾杯した。
なまえはトレイをちらりと盗み見れば泣きながら乾杯をしていた。
乾杯はしっかりするんだ、そう心の中で突っ込んだ。















(あけおめことよろぉ!)
(ジャック!省略しないでしっかり………ゔっ)
(ちょクイーントイレ行こう!)
(誰がトイレですかぁぁあ!)
(トレイのことじゃないってば!セブン手伝ってー!)
(セブン行くなよー!あたしと飲もうぜ!)
(ちょっとサイス!セブンを放さんかー!)
(………はぁ)
(……なまえ大変そうだな)
(ああ…)
(デュース〜一緒に飲もうよぉ)
(し、シンクさんその手に持ってる物は…)
(!キング!あんたお酒どんだけ買って来たんだっつの!)
(これはな俺の部屋に貯めといた…)
(貯めとくな!)
(なまえ〜そんなカリカリしないで飲もうよぉ)
(ぎゃああ!どこ触ってんのよ変態ジャック!)
(お、まだあんのか!よっしゃケイト飲み比べだコラァ!)
(やってやろうじゃない!)
(ケイト!ナイン!いい加減にしな……)
(クイーンンン!)