短編 | ナノ

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あれからエースの予想通り、ナインに好きな人ができたという情報は0組の皆に広がった。

まぁ当たり前だろう。
ナインが彼女に話しかけてる姿を女子たちが見かけてしまったのだから。

それから女子たちがその子のことを聞こうとナインに詰め寄るが何かしら理由をつけては逃げ回るナインにいい加減女子たちも呆れ返っていた。













女子トーク





「まさかあのナインがねぇー」

「あのナインなんて失礼ですよサイス」

「いやぁでも〜確かにあのナインがねぇ〜ってなるよぉ」

「素敵なことじゃないですか。好きな人ができるって」

「まぁそうだけどね。でもあのまんまだったら任務に支障きたしそうで怖いわ」

「気が抜けているからな、確かに危ないかもしれない」

「その子4組なんでしょ〜?なら0組の回復担当になればいいのに〜」

「………」

「……あんた…」

「それいいな!次の任務にでも頼んでみるか?」

「ナインさんが何も言わなければいいですけど」

「余計なことすんじゃねぇって言いそうだよねぇ〜」

「確かにナインなら有り得るな」

「ていうか勝手にそんなことできないんじゃない?マザーにでも頼む?」

「マザーに頼んでも無理だと思いますよ。運よく4組と合同任務があるといいのですが…」

「何話してるの?」

「あ、レムさん、とその方は…!」

「!レム、彼女は…」

「あ、私の友達なの。4組でね」

『あ、こ、今度一緒の任務ではよろしくお願いします…!』

「?今度の任務?」

「どういうことなのでしょうか」

「あれ、まだ聞いてないんだっけ、今度彼女が私たち0組の回復担当を任されることになったんだよ」

「えぇー!ナイスタイミングじゃん!」

「ナイン、よかったな」

『?』
























男子トーク





「おい」

「どうした、ナイン」

「どうしたじゃねぇよコラァ!なんっで椅子に縛り付けられてんだよアァ!?」

「それはーナインにちょーっと聞きたいことがあるんだよぉ」

「椅子に縛り付けてまで聞きてぇことあんのかよ!」

「ナイン、最近好きな人ができたらしいな」

「!」

「それだけで固まるとは…どこまで分かりやすいんだ」

「まぁそれがナインの良いところですから」

「なっ、何言ってんだよてめぇら。俺にすすす好きな奴だぁ?初耳だっつーのコラァ」

「ここまで分かりやすいなんてナインてばかわいいとこあるもんなんだねぇ」

「かわいい言うんじゃねぇ!」

「ナイン、もう皆さん気付いているんですよ。気付いてないと思ってるのはナインだけです」

「っ!」

「仲が良いようじゃないかナイン。どんな子なんだ?」

「しし知らねぇ!俺は知らねぇぞコラァ!」

「もういい加減諦めろよナイン」

「優しそうな子ですよ。私も親しくなりたいくらいですから」

「はぁ!?てめっトレイ!」

「へぇーそうなのか。なら僕とも仲良くしてくれるかな」

「え、エース!」

「えーなら僕も友達になりたーい!」

「〜〜っ!」

「諦めろ、ナイン。皆お前をからかって面白がってるんだ」

「キングは顔いかついから仲良くなれなかったりしてぇ」

「!……」

「そうですね…ナインよりもいかつい顔をしていますから、仲良くできるかどうか…」

「……俺は話しかけに行く」

「キングまでノってんじゃねぇよコラァ!」

「まぁ落ち着けよナイン」

「落ち着いてられっか!………ハッ、まぁお前らがあいつに話しかける機会なんてねぇけどな」

「残念ですがナイン。その機会が巡ってきたんですよ」

「……は?」

「ああ、今度4組から0組の回復担当としてナインの想い人が選ばれたんだ」

「…はぁぁぁあ!?」

「うっわーナイスタイミングだねぇ」

「ということだナイン」

「…いやいやいやということだ、じゃねぇし!お前ら絶対あいつに近付くんじゃねぇぞコラァ!」

「ナイン、彼女は物じゃないんですから」

「ナインのために仲良くなってきてあげるよぉ!」

「っ余計なお世話だっコラァ!」



続く