24.5




「ここからは3人で行動したほうがいいかもしれない」


 エースは言う。0組は今北門に来ていた。ここからは少数のほうが行動しやすいとのこと。3人以外の0組は正面階段で皇国兵を倒しながら待機という提案をしたエースに、皆は頷いた。
 その3人を誰にするかと話し合おうとした時、誰かがスッと手を挙げる。皆がそっちに注目すると、こういうときはあまり率先してやらなさそうなジャックがにこやかに手を挙げていた。皆は目を丸くする。


「僕が行く!」
「…オイ熱でもあんのかコラァ」
「平熱よりも下だよー!」
「何か企んでるのか?」
「嫌だなぁ、こんな状況で何を企むのさぁ」
「…本当にどうしたんだ、ジャック」
「皆して失礼だなぁ!僕が中に行く!」


 思いがけないジャックの発言に0組は首を傾げる。いつもなら絶対こういう面倒なことはやらないジャックが自ら手を挙げて候補している。本当は喜ばしいことなのだが、何か裏があるのではないかと疑心暗鬼に陥った。
 そんな中シンクがジャックに問い掛ける。


「ジャックんが自ら候補するなんて〜珍しいよねぇ?なんで候補したの〜?」
「なんとなくだけどー、ここにメイがいる気がするんだよねぇ」
「「「メイ(さん)が?」」」


 ジャックの発言にエース、デュース、トレイ、セブン、ナインが反応する。ケイトとシンクはどこかで聞いたことあるような、という表情をし、サイス、エイト、クイーン、キング、レム、マキナは誰のことなんだと首を傾げた。
 メイはここに来ているかどうかは誰もわからない。ジャックは何を根拠に言っているのだろうか。相変わらずにこにこと笑顔を絶やさないジャックにサイスが突っ込む。


「ジャック、あんた何を根拠に言ってんだ?メイっつー奴あたしは知らないけど、そいつがここに来てるっていう証拠はあるのかよ」
「証拠はないけど、そんな感じがするだけー!まぁいいじゃん!ほらあと2人決めて!」
「…心配だから僕も行くよ」
「あ、じゃあ私も行く」


 次にエースとレムが自ら名乗り出る。3人が決まったところでモーグリから無線が入った。内容は要塞内部に侵入し軍神許可証を336中隊から入手し、防衛システムを解除するという任務が下る。
 3人は要塞内部に侵入し、他の0組は皇国兵の殲滅に集中するのだった。