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「ここまで来るとは…この先は通さぬ!指揮官殿に顔向けできん!白虎クリスタルに永年仕えしパラディス家の誇りを見せる時!!行け!死を恐れるな!皇国の興廃、この一戦にあり!」
長い台詞と共にゲートから現れたのは、魔導アーマーのウォーリア二体だった。突進してくるウォーリアを避けて、魔法を放つ。二体だけだったからか戦闘は先程よりだいぶ楽に終わった。 ゲートの先はビッグブリッジで、お互い回復魔法を掛け合ったあと橋を渡り始めた。
数メートル先に皇国兵の姿が目に入り、私たちは武器を構え皇国兵を迎撃する。
『ジャマー型はその先にいるわ。制圧して!』 「奴らを通すな!橋を上げろ!」
リーダー格の皇国兵が命令する。すると橋の一部が分離して上がり、先へ進むことができなくなってしまった。先へ進むには皇国兵を倒さなければいけないらしい。 私は高台からロケットでミサイルを放ってくる皇国兵に向かってファイアを放つ。ファイアは一直線に皇国兵へ向かっていき、それを食らった皇国兵は全身が炎に包まれ、パニックに陥ったのか高台から落下した。助けを求めるように手を伸ばすも、そこで力尽き伸ばしていた手も虚しく落ちる。その皇国兵のファントマを回収すると、COMMから通信が入ってきた。
『第04混成中隊との通信途絶。全滅を確認』 『こちら01混成中隊。03とまだ合流できない』 『こちら03混成中隊。魔導アーマー部隊と交戦中……』
その通信が終わると同時に橋の一部分が降りてきて橋が繋がる。そこからコロッサス一体と高台にいる皇国兵を確認した。
「高台のやつは任せろ!」 「皆さんはコロッサスを頼みます!」 「援護します!」
キングとトレイがそう言い、デュースさんが笛を構える。デュースさんが笛で音楽を奏で始めると、身体の内から沸々と力が湧き出てきた。その効果に驚きながら、コロッサスの攻撃を避け小刀で攻撃を加える。コロッサスの動きは徐々に遅くなり、セブンが鞭剣を振り下ろすとコロッサスは爆発を起こした。 皇国兵とコロッサスを倒し終わり一息つくと、上がっている橋の向こうから声が聞こえてきた。
「私が出る!貴様らもこい!」 「はっ!」
その声にそれぞれ武器を構え直す。橋が下りた先にはコロッサスが二体と、クリューゲル大尉が現れた。コロッサス二体は左腕を構えミサイルを放つ。クリューゲル大尉は手榴弾を使い攻撃を仕掛けてきた。 手榴弾の爆発を避け、コロッサスの背後まで駆け出す。魔法を唱えていると、セブンが声をあげた。
「メイ!一気に行くぞ!」 「!、わかった!」
セブンがコロッサスの正面で鞭剣を振り上げるのが見えた。鞭剣を振り下ろすタイミングを計り、コロッサスに向かってサンダーを放つ。セブンの攻撃と魔法を同時に食らったコロッサスは呆気なく爆発した。 コロッサスが爆発するとセブンと対面する形となり、私たちはどちらからともなく笑みを浮かべた。
「ビッグブリッジ制圧完了ー!」
ケイトの声がした方へ顔を向けると、親指を立てて私たちを見つめていた。
『ビッグブリッジの制圧を確認したクポ!』
モーグリの通信にホッと一息つく。しかしそう長くは休憩していられない。状況は一刻を争っていた。私たちはジャマーを破壊するために、ビッグブリッジから先へ進もうと足を踏み出したその時だった。
『待って、後方から敵の援軍よ。このままだと挟撃されるわ!』 「!」
進もうとした矢先、目の前にミサイルが飛んできた。私たちはミサイルの飛んできた方向へ反射的に振り返る。そこにはコロッサスが何体か押し寄せてきていた。確かにこのまま行くと挟み撃ちされてしまう。どうするか、と考えているとエイトが口を開いた。
「時間をかけるわけにはいかない。二手に分かれよう」 「確かに個別に対応したほうがいいですね」 「問題は誰が残るか、だな」
二手に分かれて対応したほうが確かに効率はいい。囮になればジャマー破壊の時間稼ぎくらいはできるはずだ。誰が残るかと皆が顔を見合わせているなかで、私は手を上げる。
「私が残るよ」 「じゃー僕も残る!」 「え!?」
私が言った瞬間にジャックが挙手する。突然の行動にぎょっとした私は思わずジャックを凝視した。それに気付いたジャックが私に向かってにっこり笑みを浮かべ、私は顔を引きつらせる。普通、ここは一人で対応するものではないのだろうか。
「ジャック一人だと少し不安だけど、メイがいるなら大丈夫だね!頼んだわよ!」 「う、うん」 「ジャック、あまりメイに迷惑かけるなよ」 「わかってるってー!ささ、ここは僕達に任せて、皆はジャマーの破壊頑張ってね!」 「ああ、二人とも、死ぬなよ」
そう言うと私とジャック以外の皆は先へ進んだ。その背中を見送ったあと、ジャックへ視線を移す。ジャックは私の視線に気付くと、嬉しそうに顔をほころばせ、拳を高く突き上げた。
「よーっし!頑張るぞー!おー!」 「お、おー…」 「メイ元気ないよー?ほら、おー!」 「…おー…」
はしゃぐジャックに肩を落としながら、拳を少しだけ上げるのだった。
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