どうか笑わないで聞いてほしい。僕と君が紡ぐ未来の物語を。
まず帰ってきたらすぐにメイの元に会いに行くんだ。それで思いっきり抱き締める!メイは恥ずかしがり屋だから真っ赤な顔して僕を剥がそうとするんだけど、それでも離れない僕にメイは諦めて溜め息つくんだー。でね、ただいまって僕が言うと、メイは呆れながらもおかえりって言うんだ!なんでわかるかって?へへー、メイのことならなんでもわかっちゃうよ!それで、後からエースたちが来て、抱き締めあう僕らを見て笑うんだ。もちろん、呆れてる人もいればラブラブな僕らを見て照れてる人もいるよー。例えばーナインとかデュースとか!きっと口パクパクしたり顔赤くしてると思う。あとはそうだねぇ、あっ、戦争も終わったことだし、行きたいとこいーっぱいあるんだ!メイと一緒に色んなところ行きたい!任務ばっかりで町巡りなんてゆっくりしたことないからさー。あ、でもでも、町巡りもいいけどゆっくり寝たいかもー。もちろんメイと一緒にね! 戦争も終わったんだし、きっと授業とかもなくなるよね?だって戦争終わったからもう戦わなくていいんだし。てことはこれからはずっとメイと一緒に居れるね!あー早く戦争終わらせなきゃ!戦争が終わったあとが楽しみでしょうがないよー!ねね、メイは?…ぷ、顔すっごい赤いよー?…え、僕が恥ずかしいことばっかり言うから?あはは、僕のせいにしないでよねー、僕の未来にはメイが必須なんだから!ここ一番重要ポイントね! あ、今少し笑ったなー!僕とメイは過去も未来も、ずっとずっと一緒だからね!運命共同体ってやつ! だからね、だから、絶対生きて帰ってくるから、そんな泣きそうな顔しないで。もし帰ってきたら、とびっきりの笑顔で迎えて欲しいからさ。あ、もし、じゃなくて絶対だったね!大丈夫!メイ残して死ぬわけにはいかないよー!だって僕の他に誰がメイを幸せにするっていうのさ?え?ナギ?いやあのちょっと待って、ナギなんかにメイのこと任せられないし、てか僕がいるから任せないし!…あ、もう時間かあ…。あの、さ、メイも…絶対生きて、それで僕が帰ってくるの待っててね。死にそうになったら逃げるんだよー?もしくはナギを盾に…じょ、冗談冗談!…でも本当に死にそうになったらすぐ逃げてね。こっちが終わったらすぐ駆けつけるから!
じゃあ、僕らの明るい未来のために行ってくるねぇ! メイ、大好きだよー!
そう言い残した彼は、真っ赤な空へと消えていった。 残された彼女はボロボロになりながらも、空を見上げて最後の最後まで彼を待ち続けた。意識が朦朧とするなか、彼の言葉をただただ信じて待つしかなかった。
しかし、自身に近づいてくる何体ものルルサスを見て、彼女はとうとう瞼をおろし、ふと彼の言葉を呟く。
「過去も未来もずっと一緒…運命共同体、かぁ」
本当にそうだったらいいのにね。
そう呟いた彼女は、静かに息を引き取った。
(2013/04/24)
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