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リフレッシュルームに着き周りを見渡す。でもやっぱりナギの姿はなくて肩を落とした。ふとマスターが目に入って、知っているかもしれないと思い声をかけてみた。
「マスター」 「ん?おぉ、メイちゃん!いらっしゃい」 「あ、今日は聞きたいことがあって来たんです」
そう言うとマスターはそうかい?と首を傾げた。そんなマスターに私はここにナギが来なかったか問いかける。マスターは少しだけ眉間にシワを寄せて、口を開いた。
「作戦が終わってから一回来たけど、難しい顔していたよ」 「難しい顔…ですか」 「あぁ、なんかあったのかと聞いてみたんだが苦笑いするだけで何にも言わなかったなぁ」 「………」
その難しい顔をさせていたのはきっと私のせいだろうと容易に想像できた。ナギに対して申し訳ない気持ちが一気に込み上げてくる。 マスターにありがとう、とお礼を言うとマスターはニコリと笑って途中だった作業に戻っていった。私は肩を落としてリフレッシュルームから出ようとすると、私を呼び止める声がした。
「メイ!」 「!アキ、フユさん」
振り返ったらにこやかな笑みを浮かべているアキと、まだ慣れていないのかアキの背中に隠れているフユさんの姿があった。
「聞いたよ、前の作戦で結構無理したんだってね。もう体は大丈夫?」 「…うん、体はもう大丈夫」
そう言うとアキはホッと安堵の息を吐き、ふわりと微笑んだ。一体誰からそんなことを聞いたんだろう。そう考えてるのがわかったのか、アキはエンラが言ってたよと付け加えた。なるほど、と納得する私にアキはクスクスと笑う。
「なんだかメイ、変わったね」 「え…?」 「あ、いい意味でだよ」
いい意味で変わったというアキに私は首を傾げる。私のどこがどう変わったのだろう。自分ではよくわからなかった。
「なんか丸くなったっていうか」 「……そんなに尖ってたかな」 「ううん、なんていうか…雰囲気が変わったよ、すごく」
雰囲気、という言葉が嵌まったのかアキは嬉しそうな顔でそう口にする。私はそうかな、自分ではわからないや、と濁すとアキはニコリと笑って口を開いた。
「きっとジャックのお陰ね!」 「え!?」 「だってジャックと話してるときのメイ、穏やかだもん」 「お、おだ…?ないない、絶対ない」
首を横に振りながら否定の言葉を口にするとアキにそんなことないよ、と返されてしまった。確か誰かにもそんなようなこと言われたような気がする…あ、デュースさんだ。 きっと何を言っても聞いてはくれないだろうと私は肩を落として、じゃあもうそういうことにしといて、と投げやりに返す。アキはアキでじゃあそういうことにしておくね、と満足そうに頷いた。 私とアキに着いていけないのかフユさんは困った表情をして私たちを見つめていた。そういえば今度の戦争って…。
「そういえば…フユさんも次の作戦に参加しなきゃいけないんだよね?」 「!…は、はい」
いきなり話を振ってくるとは思っていなかったのか、体をビクリと跳ね上がらせ驚きながら答える。アキは私の言葉にハッとして、そうなの、と肩を竦めた。
「フユにも出撃命令が出ちゃって…心配だよ…」 「もう、お姉ちゃん。私なら大丈夫、初めての実戦だけどそんなに怖くないよ」 「…だって、アキ。心配するのもわかるけど、もっと信じよう?私だってアキやフユさんが心配だけど、信じて待ってるからさ」
アキを安心させるようにそう言ったら、アキはフユさんと私を見てそうだね、と微笑みを浮かべた。そうそう、やっぱりアキは笑顔でなくっちゃ。 その後私はサロンに行くためアキとフユさんと別れ、魔法陣に向かうのだった。
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