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 ホテルを出て0709地区へとたどり着く。しかし休憩する暇もなく皇国兵がどんどん出てきては攻撃を仕掛けてきた。
 屋外だからなのか魔法は使えるようになっている。もしかしたらあの来賓室だけクリスタルジャマーが搭載されていたのかもしれない。


「ここで食い止めろ!」


 そう言いながら皇国兵は銃弾を放つ。それに気付きウォールを唱えたが、間に合いそうにない。あまり攻撃はうけたくないが、念のためケアルを唱えようとしたとき。私の後ろで何かが風をきった。


「うぐっ…」
「!っわ」
「メイ、余所見するな。気を抜くと殺られるぞ」
「あ、ありがとセブン…」


 背後から突撃兵の呻き声が聞こえ、慌てて突撃兵との距離を置く。突撃兵はすでに息絶えていて誰かがその突撃兵のファントマを奪った。
 危うく突撃兵に殺られるところだったのをセブンに助けられ、お礼を言う。
 今はこの状況に集中しなければいけない。私は気を引き締めて皇国兵へ魔法を放った。

 0709地区から0711地区に入ると、今度は中型艦載艇が現れた。エースやケイト、キングやトレイが遠距離攻撃で中型艦載艇を沈ませ、私や他の子は皇国兵を倒していく。
 ゲートが封鎖されているから皇国兵を倒していくしかなかった。やがてリーダーらしき皇国兵を倒すとゲートが開き、私たちはそこを通って0714地区へと入る。


「隔壁を閉じろ!」
「!今度はコロッサスか…!」


 皇国兵と共に後ろからコロッサスが現れる。コロッサスの攻撃を避けながら急所をついていく0組に、本当強いなぁと感心していた。
 コロッサスを攻撃している最中、ふと地下へ続くだろう階段を見つける。コロッサスを倒し終えると、私はジャックの腕を掴み階段のほうへ指を指した。


「どしたのメイ…てアレ…」
「地下に続く階段っぽいよ、どうする?」
「ん、よし、…ねぇ皆ぁ」


 ジャックが皆を呼ぶと皆はジャックのほうへと顔を向ける。ジャックはいつもの調子で口を開いた。


「あそこ、多分地下に続く階段なんだと思うんだけどさぁ、街中を逃げ回るより地下のほうが楽かもよー?」
「……そうだな、街中を逃げ回るより地下進んでみよう」
「どこに繋がってるかわかりませんが……行きましょう」


 ジャックの提案にエースとクイーンさんが乗り、0組は階段のほうへと歩を進める。街中よりかはマシかもしれない、でもクイーンさんも言っていたがこの地下に入ってもどこに繋がってるかが問題だ。
 どうかこの先でこの街から出られますように、そう祈るしかなかった。