汚れたシンフォニー


◎裏表現注意


残酷な人だと、誰もがあなたを恐れる。

確かにあなたは海賊で、人を殺しては財産を奪い、街を襲っては焼き尽くし、全てを壊してしまう。

だけどね、あたしは知ってるの。

あなたが本当は、凄く優しい人だってこと。





汚れたシンフォニー






「キッ、ド‥」


優しい優しい愛撫が、唇から首筋、そして胸元まで下りていく。ちゅ、ちゅ、と甘い音を立てながらあなたの唇は紅い花を散らす。

ゴツゴツとした手の平で遠慮がちに包み込まれた胸は、やわやわと丁寧に、少し物足りないくらいの刺激を与えられる。

キッドの前戯は酷く優しい。

それはそれは丁寧で、まるで壊れ物に触れるかのようだ。時にはそれを物足りなく感じることがあるが、あたしはその優しすぎるキッドの指先が好きだ。温かい舌が好きだ。

あたしはキッドが好きだ。


「ふぁ‥っ」

「ナマエ‥」


お腹まで下がっていった唇が次に触れるのは、甘い蜜の溢れる、一番敏感なところ。小さく口付けた後、舌先で割れ目をなぞられる。ビクッと震えれば、キッドは少し身体を離した。

そして優しい笑顔を浮かべて、あたしの手を握る。

あたしにしか見せない、キッドの笑顔だ。キッドの優しさだ。

ドキン、と胸が軋んで、また甘い蜜が溢れる。

それをまたキッドの舌が舐めとる。舌と共にあてがわれた指先はクチュクチュと淫らな音を響かせる。


「んんっ‥キッ、ド‥っ」

「‥痛いか?」

「ううん‥気持ち、い‥」


そうか、そう言ったと同時にキッドの紅く色付けられた爪先が、熱く湿りきった膣内に入っていく。ゆっくり、ゆっくり、だけど確実に。

ぐちゅり、指を一本丸々呑み込んだそこは、また新しい刺激に新しい蜜を溢れさせる。膣をキッドの指が動く度、ぐちゅぐちゅという水音とあたしの声が淫らな二重奏を生み出す。


「ああっ、」

「ナマエ」

「キッ、ド‥」

「いいか?」


そう問うたキッドは既に大きく誇張した自らのモノを取り出していて、入り口に宛がおうとしている。あたしが頷くのを確認して、キッドはゆっくり、身体を沈める。言い様もない圧迫感に息が詰まりそうになる。


「あああ、キッドっ‥!」

「っ‥」


深く沈められたソレはあたしの膣に確かな存在感を与えてくる。あぁ、キッドがあたしの中にいる。

右手はあたしの左手を、左手はあたしの腰を掴み、ゆっくり腰が動く。優しさと荒々しさをもって、快楽を求め奥へ奥へと突き上げてくる。

キッドも余裕がなくなってきているんだとわかった。眉間に寄った皺が快楽の意を表している。あたしも既に限界だった。


「キッドっ、あっ、‥もっ、と‥」

「っ‥、イカして、やる、っ」


そう吐息混じりに耳元で囁いたキッドの背中に腕を回す。もっと、もっと、あなたで汚して。更に激しさを増した旋律は着実に絶頂へあたしを導いていく。

ポタリ、キッドの汗が胸ではぜた瞬間、あたしはその背中に爪を突き立てた。愛してる、そう何度も叫びながら。


「ナマエ、」


愛してる。

キッドの愛が白く飛び散った。











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