イオンに話を聞いて何となくだけどこの世界の事が分かってきた。
名前とか地名とかはまだよくわかんないんだけど、
ようは私たちが電気で行っていることを、この世界の人たちは音素で行っているということ。
ユリアとか言う女性が詠んだ予言と言うのがこの世界を支配していると言っても過言ではない…のかな?
その予言が刻まれた譜石をめぐってよく争いが起こっている。
よくあるSFファンタジーみたいだなぁ。

イオンとお茶をすすりながら世間話を続けていると、部屋から出ていったルークたちとジェイドが戻ってきた。

「みんなお帰り!どうだった?探検の感想は?。」

「どうって言われても、兵士たちがうろうろしているだけで何もなかったぜ。」

そう言ってルークは椅子に腰かけ、私が出したお茶を偉そうに受け取って飲んだ。
なんか、尽くされ慣れてる感じするな〜。さすが坊ちゃん。
風は気持ちよかったわよって言うティアの言葉に、イオンと二人で甲板に出て見ようかと立ち上がった時、艦内に警告音が鳴り響いた。

「え、何なに?火事!!?なに!?」

警告音=火事な日本育ちの私に対して、ティア達は敵襲ではないかと身構えていた。
ジェイドが壁に取り付けられた昔の電話のようなもので状況を確認すると、どうやら大量の魔物の群れがこの艦めがけて飛んできているらしい。
さっきチーグルの森で戦ったライガと同じ種類の魔物が大勢で攻めてきていると聞いたルークは、顔を真っ青にして震えあがっていた。
部屋に残れと言うジェイドの言葉を無視して、船を降りると騒いだ彼は、単身部屋を飛び出す。

「ルーク!!」

ティアが急いでルークを追いかけ、アニスもそれに続いた。
舌打ちをしたジェイドも、私とイオンに「ここに隠れていて下さい」と一言告げて急いで3人を追いかけて出ていってしまった。

「イ、イオン…」

魔物の群れもだが、皆が部屋を出ていった事に不安を覚えた私が心もとなげにつぶやくと、「きっと大丈夫ですよ」と、いつもの笑顔で返してくれた。

「そうだね、みんな強いもん。大丈夫だよね。」

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