村外れにいい感じの石を発見して、そこに腰を下ろした。
座って空を眺めているとなんだか裏山を思い出す。

「夢じゃないんだよね、この世界って。」

星の位置も、星の数も知っているものとは全然違う。
見たことの無い大きな魔物や、ティア使っていた魔法。
広大な森や平野。
活気のある村。
何もかもが私の世界、いいや、少なくとも日本では見られるような光景ではなかった。

二人からはよく分からない単語が飛び出しているし。

超振動どかなんたら教団とか。
かろうじて分かったのは、イオンから聞いていた音素という言葉。
二人の話してるのを聞いて、そのたびに聞こうかなって思うんだけどなんとなくタイミングを失ってるし。
と、言うか、多分この星に住んでいてその単語を知らない人っていないんじゃないかと思うんだ。
それを教えて?、なんていった日にゃ…絶対変に思われる。



「そういえば、さっきの夢はなんだか変だったな〜」

この星の人々を悲しみから救って。。。?
だったか?

なんておこがましい夢を見るかな!自分!
そんな大層な事ができるような超人ではないよ。
あれか?
異世界に来たからには何か使命があるはずだ的な。

…。

どんだけSFかぶれなの私!
むしろ厨二病!!?
夢って願望の現われとかいうし…なんか恥ずかしくなってきた!!


両手で自分の頬にパタパタと風を送り自分をごまかしながら空を仰いだ。

どの世界でも星は綺麗に輝いていて、私の心を癒してくれる。


イオンもこの世界のどこかでこの夜空を見上げているのだろうか。

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