6
ふわふわ ふわふわ
浮いている感覚。
「瞳…」
だ…れ?
「瞳、お願いです。」
この星の人々を・・・
彼らを
悲しみから救って・・・
救う?
私が?
どうやって?
あなたは。。。誰なの?
パチ!
「あ、ヒトミ。起きたのね。おはよう。」
目を開けると、ベッドにうつ伏せで寝ていて、そんな私を見下ろしているティアが目に入る。
「ん…おはよう。あれ、二人とも帰ってたんだ。」
もそもそと起き上がると、なんだか不機嫌そうなオーラを撒き散らしているルークも目に入った。
「帰ってたんだ。じゃ、ねーよ!もう夜だっつの。お前何時間寝こけてたんだ。」
「!、そんな言い方は無いわ。疲れていたのよ。」
「俺だって疲れてる!」
「じゃああなたも寝ればいいでしょ」
…
起き抜けに喧嘩勃発。
か、勘弁して・・・。
二人の喧嘩は見慣れてきたけど、喧嘩の原因が私ってのがごめんなさいである。
ルークもそんなに怒ってるんだったら起こしてくれればよかったのに!
なんて、二人を待たずして寝ちゃった私が悪いんだけど。
「ごめんねルーク、一人だけ寝ちゃってて…」
私が悪かったから喧嘩しないでって頼むと「別にそんなことはどうでもいい」とそっぽ向かれてしまった。
「ヒトミ、気にしなくていいわ。ルークは泥棒に間違えられて機嫌が悪いだけだから。」
「ど、泥棒!!?」
「俺はしてないからな!」
どうやら、
買い物の仕方を知らなかったおかげで食料泥棒の犯人にされたらしい。
誤解は一応解けたらしいんだけど、本人はまだ納得できていないようだ。
ってゆーか、買い物の仕方を知らないとかどんだけお坊ちゃんなんだろうか。
私をメイドとして雇ってくれるとか軽く言っちゃってたし、もしかしなくてもすごい金持ち!!?
「あーーくそ!腹の虫がおさまらねぇ!!!おい。お前チーグルって知ってるか!?」
「始祖ユリアと並んでローレラ教壇の象徴となってる草食動物よ。東グルニカ平野の森林地帯…ちょうどこの村の北の辺りが生息地だわ」
「よし、決めた!明日はその森に行くぞ!!」
頭をガシガシしながら怒り狂っていたルークは、絶対捕まえて突き出してやると意気込みながらベッドへともぐりこんだ。
「え、ちょっと、ルーク!?」
ティアの叫びを無視して、しばらく後には緩やかな寝息が聞こえてくる。
私とティアは二人で顔を見合わせてため息をつき、とりあえずティアも寝るということなので、部屋の電気を消した。
二人が帰ってくるまでたっぷりと睡眠をとっていた私は寝れるはずも無く。
村周辺は安全だからということで少し夜の風に当たりに外に出でることにした。
← | →Index / IonTop